中村紀洋連載 「小・中学生にバントやエンドランをやらせるのは早すぎる」

タグ: , , 2018/10/22

 プロで犠打やエンドランがうまい選手たちも、高校時代は「4番・エース」だった選手たちがたくさんいます。高校まで犠打をしたことがなかったという小技のスペシャリストもいます。犠打やエンドランは高校以降でも身に付きますし、小さな頃から習得する必要はないように感じます。

「N’s method」で子供たちを対象にした指導で大事にしていることはまず野球を好きになってもらえるようにすることです。体の小さな子供も強い打球やホームランを打ちたいですから、そのための指導をします。野球を好きになれば試合に勝ちたいと思いますし、指導者がうるさく言わなくても勝つためにどういう打撃をするか考えるようになります。先程も言及しましたが、試合で勝ちを優先してしまうと作戦面もそうですが試合に出場する選手が偏ってしまう傾向があります。ベンチ入りメンバーが全員、試合に出場できる環境が望ましいですね。

[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]

中村 紀洋(なかむら・のりひろ)

渋谷高で2年夏の90年に「4番・投手」で激戦区の大阪府予選を勝ち抜き、同校初の甲子園出場に導く。高校通算35本塁打。91年にドラフト4位で近鉄バファローズに入団し、「いてまえ打線」の4番として活躍した。00年に39本塁打、110打点で本塁打王、打点王を獲得。01年も132打点で2年連続打点王に輝き、チームを12年ぶりのリーグ優勝に導く。04年に日本代表でシドニー五輪に出場して銅メダルを獲得。メジャーリーグ挑戦を経て06年に日本球界復帰し、07年に中日で日本シリーズMVPを受賞した。13年にDeNAで通算2000安打を達成。15年に一般社団法人「N’s method」を設立し、独自のMethodで子ども達への野球指導、他種目アスリートを中心にトレーニング指導を行なっている。17年には静岡・浜松開誠館高校で硬式野球部の非常勤コーチに就任。高校生の指導に力を注ぐ。

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