思春期の子どもたちに「早寝・早起き」は必須?

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国立精神・神経医療研究センター 三島和夫

 過去2回でお話ししたように、週末に寝だめをする生活は体に負担がかかり、健康リスクが高まります。その一方で気持ちよく起きられる起床時間の年代差を配慮しないのも良くありません。幼少の時期は苦もなく早起きできますが、高校生になると朝起きるのが苦手になり傾向があります。

 体内時計も個性の一つであり、気力だけでは乗り越えられない人もいるということも理解しなくてはいけません。思春期から青年期にかけて体質的に夜型が強まります。一部の子どもたちにとって「早寝・早起き・朝ご飯」は大変なことなのです。「早起をして体質改善」という意見は「視力を上げろ」「背を伸ばせ」と同じ論理で、気合では生活リズムを変えても心身がすぐれない子供もいるのです。無理強いするのは個人的には良くないと思います。海外では思春期の子どもたちが成長とともに夜型傾向が強くなるから、登校時間を遅らせる試験を行っています。英国では15年から始業時間を朝10時にする試みをおこなった結果、成績上位者の割合が増えたというデータが出ました。個人差、年齢、性別を配慮して社会が個人に寄り添う対応も必要ではないでしょうか。このような柔軟な考え方が日本は他国に比べて遅れていると思います。


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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

三島 和夫(みしま・かずお)

三島 和夫

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所・精神生理研究部 部長

日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。社会保障審議会統計分科会専門委員、JAXA宇宙医学研究シナリオワーキンググループ委員、厚生労働省国民健康・栄養調査企画解析委員、東京都健康推進プラン21推進会議中間評価部会委員など。

これまでに、睡眠薬の適正使用と休薬のための診療ガイドライン、睡眠障害治療薬の臨床試験ガイドライン(治験ガイドライン)を作成した。今年度から「向精神薬の適正使用ガイドライン」に関する厚生労働科学研究班の主任研究者を務めている。

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