規則正しい睡眠リズムに戻すコツとは?

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国立精神・神経医療研究センター 三島和夫

 前回お話したように、平日は朝早く起きて出勤、週末になるとお昼頃まで寝ているという生活を送るとメタボリックシンドローム、抑うつ気分なり、不安が高まる気分障害になる危険性が高くなります。このような状態を「社会的ジェットラグ」といい、個人の体内時計(生体リズム)にマッチしない社会時刻(生活スケジュール)を強いられることによって心身の不調を生じる状態のことを指します。

 ではどのような方法でこの「社会的ジェットラグ」から脱却できるのか。ポイントは生活を朝型に巻き戻すことです。一番最初に心がけることは週末の寝ダメを抑えることです。定時に目覚める習慣をつけ、休日にも平日と同じ時間帯に起床し、寝だめを避ける。睡眠不足がある場合は1時間程度の短めの昼寝をする。午後遅くからは強い光を避けます。夜型解消のためには間接照明で照度を落とし、暖色系の照明にする。夜型にしてしまうブルーライトなどの光を避ける事も重要です。

 この生活を3~4週間続けると、寝つきやすい時間が前倒ししたまま安定していきます。その結果、夜型の傾向も修正されます。

 体内時計を調整するためには「光」も大事です。一度寝だめをしてしまい、「社会的ジェットラグ」に陥ると、午前中に光を浴びることが少なくなります。光が目を開けた状態から瞳孔の中に入り、網膜を刺激することで体内時計を調整します。光を浴びる時間帯によっても人体に与える影響が異なります。朝から夕方までの光は体内時計を前進させて早起きしやすくなりますが、夕方から深夜の光は体内時計を後進させて夜型が維持される原因になります。最近話題になっているのがブルーライト(青色光)を放つスマートフォンやPCです。光で目が刺激されて寝つきが悪くなります。暖色光は体内時計に影響はないので、自宅を間接照明にしたり、調光機能がある照明にすることで効果が出るでしょう。


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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

三島 和夫(みしま・かずお)

三島 和夫

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所・精神生理研究部 部長

日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。社会保障審議会統計分科会専門委員、JAXA宇宙医学研究シナリオワーキンググループ委員、厚生労働省国民健康・栄養調査企画解析委員、東京都健康推進プラン21推進会議中間評価部会委員など。

これまでに、睡眠薬の適正使用と休薬のための診療ガイドライン、睡眠障害治療薬の臨床試験ガイドライン(治験ガイドライン)を作成した。今年度から「向精神薬の適正使用ガイドライン」に関する厚生労働科学研究班の主任研究者を務めている。

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