元巨人・斎藤雅樹さん「当時、MLBからオファーがあったら?」の問いに・・・?伝説の決戦「10.8」登板の真実とは?

タグ: , , , 2021/5/13

極限状態の「10.8」が生んだ揺るぎない自信

−−勝ち続けたことで得た自信が覚醒のきっかけになり、11試合連続完投勝利の1989年は20勝。翌1990年にも20勝をあげて、「平成の大エース」と呼ばれるまでになりました。エースとして、印象的な試合はありますか?
斎藤:1994年の10.8決戦(リーグ最終戦で同率首位だった巨人と中日による優勝決定戦)は印象的ですね。それまでにも20勝を2回したりもしていましたから、自信みたいなものはありましたけど、あの時は特別ですよね。「国民的行事」と長嶋さんが言ったような試合ですから。

−−10.8決戦の思い出を教えてください。
斎藤:僕は10月6日に投げているんですよ。その時は6回100球以上投げたと思うんですけが、その日は逆転負けしてしまいました。それで10月8日となると、中1日じゃないですか。だから基本的には投げるつもりはないと思っていました。いろんな雑誌では、「その前の晩に長嶋監督の部屋に呼ばれた」とか書かれていましたが、本当は呼ばれていないんですよ(笑)。桑田と槙原さんは呼ばれているらしいですけどね。10.8の先発は槙原さんだったので「槙原さんがやられるわけないから大丈夫だよ」って宮本和知さんと話していました。でも実際始まってみたら、アンラッキーなヒットが続いたり、なんだか嫌な雰囲気で…。ジャイアンツが先制したんですけど、2回裏すぐに中日に追いつかれてしまいました。そこでジャイアンツは投手交代。ノーアウト1、2塁で僕がいくことになってしまったんですよ。ベンチから「斎藤!」と山倉コーチに言われた時、内心では「嫌だ!」と思っていましたよ(笑)。

−−できれば投げたくなかったということですね(笑)
斎藤:一度聞こえないフリをしましたけど、もう一回呼ばれて振り向いたら、「いけるか」と言われて。「いけません」とも言えないので、「は、はい…」と言って交代になりました。その時は同点ノーアウト1、2塁でバッターがピッチャーだったので、当然バントケースですよね。まぁ守備は槇原さんよりは上手いので、それもあっての交代だったと思います(笑)。そこで案の定バントで、サードで1個アウトにして、1アウト1、2塁で次のバッターを三振に取った時にランナーが飛び出たんですよ。そこでキャッチャーの村田さんが刺してダブルプレーに取りました。要するに、中日の選手も平常心じゃなかったということですよね。両チーム極限の状態だったんです。

−−極限の状況の中で、自分の限界値を超えられる何かが働いたというかことでしょうか?
斎藤:そうですね。実際10.8の時は5回に内転筋を痛めてしまったんですよ。だけど、6回まで投げました。体力的には当然疲れもあっただろうし、普通は投げられない状況ですけど、やっぱり気持ちが入りましたね。そういう時には特別な力が出るのかな、という気がしました。あの試合を投げられたことが自信になって、レベルアップすることができたと思います。

−−こういう大きな経験をしたということが、人生に大きな影響を与えたということですね。
斎藤:その後、1995年、1996年と沢村賞を取ることができました。個人的にはまずまずだったと思いますね。

−−沢村賞3回、最多勝5回と、球界を代表するピッチャーとして第一線で活躍されてきました。引退を意識しだしたのはいつですか?
斎藤:引退したのは36歳の時です。96年の日本シリーズが僕の最後の良い状態でした。97年の自主トレ中にキャッチボールをしていたら「あれ、肩痛いな」って思ったんですよ。結局そこからはずっと調子が上がらないままでした。94年、95年、96年と開幕戦で完封しているので、そうしたら97年も開幕戦行かないとしょうがないじゃないですか。その時にヤクルトの小早川さんに三打席連続ホームランを打たれたんですよ。投げられないほどではないですが、状態的にはあまり良くなかったんですね。肩が温まるのも遅くなってきていたし、結局なかなか良い状態にはならなかったです。97年は結局半分休んでいたと思います。

−−共に黄金期を築いた槙原寛己さん、村田真一さんと同じ2001年に引退を表明しました。
斎藤:そうですね。東京ドーム最終戦で勇退を表明していた長嶋監督の引退セレモニーと共に僕たちも参加させてもらいました。

−−現役時代を振り返って、斎藤さんがあと10年遅くデビューしていたら、メジャー挑戦を考えることがあったと思いますか?
斎藤:いやー、どうでしょう。野茂(英雄)が行ってからですからね、1995年でしょ?その時で自分は30歳ですから。今みたいにメジャーの行き方みたいなものもなかったですからね。意識はなかったし、あの頃の自分なら通用していたかどうかもわからないですね。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]





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