コロナ禍だからこそ問われるNPBの透明性と発信力、ファン無視の直前中止や不公平感に拍車

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 プロ野球の臨時12球団代表者会議が1日、オンラインで開催され、新型コロナウイルスの集団感染により公式戦開催を見送ってきた巨人の試合を、2日の阪神戦(東京ドーム)から再開する方針が確認された。巨人側から再開の見通しと報告された。

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 巨人は7月30日に立岡宗一郎外野手ら3選手を含む4人が陽性判定を受け、7月19日以降でスタッフ含めて計81人が感染。70人の支配下登録選手中、39人が陽性判定を受けた。事態を受けてチーム編成が不可能として、7月22~24日の中日3連戦と、同29~31日のDeNA3連戦を中止。間にはオールスターブレークを挟んだにも関わらず、7月20日を最後に試合を行えていない。

 これには公平性の観点から、主に他球団のファンと思われる方々から批判の声が飛んだ。例えばヤクルトは高津臣吾監督や山田哲人、塩見泰隆ら主力を含む集団感染が7月9日に発生したが、中止は9、10日の2試合だけで12日からの中日3連戦から再開。12日は雨天中止となったものの、オーダーの大半が2軍選手が並んだチームはそこから5連敗を喫した。その間に史上最速点灯させていたリーグ連覇へのマジックナンバーは消滅。下旬には多くの選手が戻ったものの、集団感染以降は4勝9敗と大きく負け越した。歴史的独走を演じていたからこそ、その貯金で首位の座はまだまだ不動と見られるが、これが他球団と競った状態だったらどうだろうか。すでに2週間近く試合を行っていない巨人と、3日後には再開を迫られたヤクルトとの間で、生まれる不公平感は否めないであろう。

 一部ファンから「一連のルール作りを」という声も上がるが、これがなかなか簡単にはいかない。例えば感染者発生による中止の条件として人数を数えるとしても、ポジションがまんべんなく散るのと一つに偏るのとでは状況が異なる。人数が少なく専門性が高い捕手で複数人の感染者が出た場合と、各ポジションに散って陽性判定を受けた場合では、試合挙行に向けた条件では大きな差がある。

 大相撲やラグビー・リーグワンなど他競技団体のように、感染による中止を「不戦敗」とすることも、不公平感に拍車をかけるだろう。感染防止は誰もが心掛けるべき努力項目ではあるが、いつ、誰にでも起こる得るもの。またそのような形で勝ちを拾っても、当事者や見守るファンも決してうれしくないに違いない。

 プロ野球はこうした事情も鑑みて、大量に感染者が発生した際には、12球団による臨時実行委員会を開いて試合開催が可能かどうかを協議してきた。感染者の内訳は、事例ごとに異なるため、そうしてケースごとに柔軟に対応することは致し方ない点は多い。であるならばその臨時実行委の透明性を高め、より即座にファンへ伝わるように発信すべきだ。

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