「スポーツ=儲からない」という二元論を壊したい、とあるソフトウェア開発者が語る思いとは

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 一言で「スポーツ業界」と言っても、スポーツチームやその運営会社、スポーツ新聞社やスポーツ番組制作などのメディア、スポーツ用品店など、その携わり方は幅広く存在する。

だが、その中心となって業界を動かしているのは、各競技でプレーする選手たちではないだろうか。

そんな選手たちが日々活躍するためには練習やトレーニングのみならず、体調面や精神面含め、あらゆる形でのサポートが必要となるが、その中で選手のコンディショニング管理を支える、あるソフトウェアに注目した。

そのソフトウェアというのが、「ONE TAP SPORTS」だ。

「ONE TAP SPORTS」はスポーツ選手のコンディション管理をデータ化し、可視化することでパフォーマンスの向上をサポートするソフトウェアである。

今回、この「ONE TAP SPORTS」の開発元である、株式会社ユーフォリア共同代表・橋口寛氏を、元フジテレビアナウンサーでスポーツアンカー・田中大貴さんが取材。

後編となる本記事では、スポーツビジネスの難しさや、新型コロナウイルスによって大きく変わった世の中だからこそ貢献できる橋口さんの今後の展望について話を聞いた。

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歴史的快挙を成し遂げたラグビー日本代表を支えた「ソフトウェア」の開発秘話とは https://cocokara-next.com/athlete_celeb/software-that-supported-the-japan-national-rugby-team-01/






「スポーツ=儲からない」という二元論みたいなものを壊したい


田中:「スポーツ界」を深く考えていくと、例えばラグビー日本代表は、プロアマ含め数多あるチームのトップオブトップ。そしてそこを中継するテレビ局やメディアは全体で見ると凄く少数だと思います。スポーツ界はもっと大きいはずではあるものの、そこをどう広げて行くかということは僕の課題でもありますが、その点橋口さんはどう考えていますか?

橋口:「ONE TAP SPORTS」を使ってもっと役に立てると思っているチームが現在5万以上あるのですが、ラグビー日本代表ってその中の1チームに過ぎないんですよね。ですが、日本代表チームは、その5万チーム全てに共通する要素を持っているトップオブトップのチームなんだと思います。彼らはロングスパンで強化を考えていて、現場で最先端のスポーツ科学を活用して強化に資するというのはもちろんありながら、それと同時に連綿と強い選手を輩出し続けるシステムを作ろうという思想がある。それはここ10年くらいで強くなった思想だと思います。
ラグビー日本代表のベースとなるのはトップリーグですが、その下に続くのは大学、高校、中学そして小学校のスクール。この細い鉛筆みたいなタレントプールの中で、上の人たちだけを鍛えるのではなく、このピラミッドを設計して下の若い世代が湧き上がってくるようなシステムを作らないといけないという思いが彼らにはあるんですよ。トップだけでなくいかに若い世代に怪我なく強く大きくなってもらうかということですよね。
なのでこれから我々が対象とする5万以上のチームに共通する要素が、ある種の大本として入っているのがラグビー日本代表チームだったなと思います。

田中:スポーツをビジネスとして捉えることは非常に魅力的でありながら非常に難しい世界だと思います。その辺りは実際に当事者となってみていかがですか?

橋口:一昔前はスポーツ=教育の場であり、基本はボランティアベースで成り立っていて、それを金稼ぎにするのはけしからんと言った風潮はあったと思います。ですが、流石に最近それはかなり減ってきたと思うんですね。一方で、スポーツをビジネスにすることはそれほど簡単では無いということも痛感しています。
その中で一つ大きなことは、スポーツと一般ビジネス界におけるバジェットの使い方に関する感覚の違いですね。
メディアを通じた存在感は大きいですし、アテンションは凄く大きいので、バジェットが大きい産業であるように一般的には捉えられがちだと思います。ですが、実際にやってみると、アテンションに対してバジェットの大きさは極めて小さかったなと。
だからこそチャレンジングで、やりがいがあるし、チャンスだなとも思います。
我々もこの事業をやり始めた時に、「スポーツって儲からないでしょ。スポーツやめて他に行った方がいいのでは?」と言われたことがあります。一般的に短期的な視点でみると、それを真に受けてスポーツから離れて他の市場に行くと思うんです。それを理由に長期に腰を据えて本格的に取り組む手強い競合がいなくなるという要素は少なからずあったなとは思います。
僕たちはその「スポーツ=儲からない」という二元論みたいなものを壊したい、その証明を僕らがやりたいという思いは凄くありますし、そのチャレンジはやりがいがある。そしてそれができるという感覚は年々強くなってきていると感じています。

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