「那須川天心二世」と呼ばれた男の挫折と野望 「どん底」を抜けた田丸辰が見据える未来とは

タグ: , , , 2023/4/8

風音戦で完勝した田丸。3連勝を飾って状態は明らかに上向きだ。(C)CoCoKARAnext

 先月26日の風音戦に勝利し、3連勝を飾った田丸辰。16歳で初代RISEスーパーフライ級王者に輝き「天心二世」と称された男のキャリアは、決して順風満帆なものではなかった。初の黒星を喫した2019年9月の鈴木真彦戦で左拳を骨折。翌年のMASAKING戦には勝利したものの、そこから大崎一貴、政所仁に連敗し、意を決して臨んだ2022年の空龍戦はバッティングによるノーコンテストとなった。さらに、鼻の骨折から復帰しての空龍とのリターンマッチは、相手のコロナ感染のために試合が流れ、本人もまさに「どん底」を味わったという。21歳になった今、果てしないポテンシャルを秘めた新鋭は何を思うのか。見事な復活を遂げた田丸に、当時を振り返ってもらうとともに、これからの野望を聞いた。

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ーー先日の風音戦は見事な勝利でした。試合前から、何か数年前とは違う吹っ切れた雰囲気を感じました。拳を怪我して結果も出ずに「どん底」と言っていた時期もありましたからね。

 2020年の大崎戦、2021年の政所戦の頃ですね。当時は単純に勝ててなかったのもあるし、拳の痛みもまだ残っていて怖さも残っていた。試合もできなかったりとか、単純に、これからどうしていけばいいか分からない状態でした。でも、最近は去年の数島戦でしっかりベルトを取って、クンスックノーイとの初の国際試合にも勝てて、今回の風音戦で3連勝できた。それがすごい自信になっています。

ーー田丸選手は16歳でRISEの世界スーパーフライ級のタイトルを取り、天心二世とも言われました。改めて振り返ると?

 16歳でベルトを取った時は怖いもの知らずというか、無敗だったので負ける感覚が分かりませんでした。誰でもいいから試合をしたいみたいな、アマチュアの延長線上でどんどん試合をして勝っていた感じです。プロのチャンピオンになれたからといって、うれしかったですけど、そんなにこだわりはなかったですね。ただ、今のジムに移籍する直前に負けて…初めて負けた2019年の鈴木戦で拳を怪我してからは、本当にしばらくどん底でしたね。

ーー大崎戦で黒星を喫し、タイトルも落としたのはショックだったと思います。

 移籍して1発目のMASAKING戦では勝ったんです。その頃は全然自信がありました。鈴木戦は負けたけど、1ラウンドで拳が折れたので、左手が使えれば勝ててたと思ったし、同階級の相手なら負けないなと。そう思っていたところで、大崎戦で負けた。人生で初めてダウンを取られたのも、ちょっとビックリしました。それから手術して、復帰戦で頑張っていこうというのが政所との大阪大会でした。

ーー政所戦では、左手はあまり使っていなかった印象です。

 練習ではミットやサンドバックは打てていたんですけど、完治はしてなくて、怖いというかイップスみたいな感じでした。

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