あの五輪を逃したから変われた 佐藤優香(トライアスロン)

2017.08.01

無くなった気持ちの波

― 競技で勝つため、心と体のモチベーションを上げるために日々心掛けていることはありますか?

 以前までは気持ちの波がありました。「今日は気分も調子もいいな」というときは練習も頑張れますし、逆に気分が乗らないときは、本当に暗い感じになってしまっていたんです。
 今は波がなく安定しています。後輩が増え、自分も気持ちが上がって毎日が楽しいんです。後輩に支えられて、毎日楽しく練習もできていると思います。

佐藤優香

― 以前は自分だけの話だったのが、後輩たちという外的要因も入ってきたということですか?

 そうですね。引っ張っていかなければいけない立場なので、自分が元気でないといけない。それを考えたら暗くなっていてはダメだなと思うようになりました。

集中しているときは、周りの景色がモノクロ

― レースが始まるとき 、レース中は何を考えてメンタルを維持しているのですか?

 レース中は“ 無 ” なんですよね。 無我夢中で、前を追う気持ちしかないです。とにかく我慢、 他のことは考えない。前の景色を追っています。

― 集中力が切れるときはないですか?

 ありますね。ランはいつも4周回なんですけど、ラスト2周でハンガーノック(長時間の運動中、急に力が入らなくなり、動けなくなる現象)になってしまうと集中力が切れてしまいます。


 集中しているときは、周りの景色がモノクロなんですよ。応援してくださる方の声だけが頭に入ってきて、観客の方に目をやる余裕もないんです。でも、集中力が切れてしまうと、周りの景色が見えてカラーになってしまう。それは、自分の集中力が切れたというサインなんです(苦笑)。

佐藤優香

― ハンガーノックにならないために何をしていますか?

 以前よりもボトル(水分やエネルギードリンクの補給)はしっかり取るようにして、レースの日は必ず朝にカレーを食べます。カレーを食べると、エネルギー切れがなくなりました。

― レースの始まる何時間前に食べるのですか?

 4時間前です。起きる時間がレースの4時間前だからです。レトルトで売っているものを、おにぎりと組み合わせて食べます。

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