日ロ首脳会談で浮き彫り 安倍首相「レガシー」執着も北方領土ゼロ返還の現実味

2019/1/29

 「戦後外交の総決算」を掲げる安倍首相は「日ロ平和条約締結に全力を尽くす」と息巻いて25回目の日ロ首脳会談に向かったが、24日に帰国の途に就いて以降、口を重く閉ざした状態だ。

 2016年に「新しいアプローチ」と銘打って再スタートを切った北方領土返還交渉は昨年、すっかり変容。プーチン大統領から「前提条件なしの平和条約締結」を押し込まれ、1956年の日ソ共同宣言を基礎とした平和条約締結交渉に様変わり。平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すとの前提条件を受け入れ、国後島と択捉島を含む4島返還を求める日本政府の従来の方針を後退させたにもかかわらず、事態は膠着している。

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 今年は4月の統一地方選と7月の参院選が重なる「選挙イヤー」。延命に必死の安倍首相は日本で初めて開かれるG20首脳会議の政治利用を画策。慣例を破ってG7首脳会議前の6月開催にこぎつけ、プーチン大統領と平和条約締結で合意して見せ場を作り、支持率アップのシナリオを描いていた。それには25回目の日ロ首脳会談で条文策定作業に入る必要があるが、ロシア側はケンもほろろ。安倍首相は訪ロに「交渉責任者」の河野外相や、北方領土の共同経済活動を担当する世耕経産相を伴ったが、現地の雰囲気は散々だったようだ。

「日本側が計画した企業トップらの同行をロシア側は拒否。プーチン大統領の会談遅刻は毎度のことですが、夕方の中途半端な時間帯にワーキングディナーをセットされる適当な扱い。首脳会談後の共同記者発表では安倍首相のスピーチ中にラブロフ外相が露骨にあきれた表情を見せ、両首脳の握手シーンで日本側が拍手で盛り上げようとしたが、ロシア側は何のリアクションもしませんでした」(大手紙政治部デスク)

 下馬評通り、前のめりになっているのはレガシー(政治的遺産)に執着する安倍首相だけ。プーチン大統領は領土喪失につながりかねない平和条約締結交渉に本気で臨むつもりはないようなのだ。

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