コンビニ食でも競技力を向上するには?
2017.10.10
コンビニ飯 ダメだと決めつけていませんか?
日本女子野球トッププレーヤーの六角彩子選手と、食事面のアドバイスをしているアスリートフードマイスターの落合千賀子さん。今回の「アスリート×サポートスタッフ」対談テーマは「コンビニ食」です。
アスリートがコンビニ食で必要な栄養をとることは可能ですか?
落合 何を選べばいいかがわかれば、上手にとれると思います。葉っぱの多いサラダはほとんど水分なので、ニンジンの入った野菜スティックにするとか。チーズはカルシウムが牛乳の何倍も入っているので「レタスたっぷりハムチーズサンド」などは、野菜やタンパク質もとれていいですね。
六角 フルーツは毎朝100%のオレンジジュースを飲んでいます。
落合 ビタミンCはフルーツで摂るのが一番ですが、生の果物を買ってきて食べるのはなかなか難しいです。オレンジジュースだったら、柑橘(かんきつ)類で1番ビタミンCをとりやすい。ただ甘くて飲みすぎると太るので、一回に飲む量は200ml約コップ一杯くらいがいいです。
六角 以前、落合さんがチームの栄養講習で「ビタミンCが1番多い果物は」というクイズを出しました。オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、キウイ、柿の中から選ぶんでしたよね。
落合 そうですね。正解は柿です。。季節が限られるイメージですが、干し柿だったら冷凍もできます。白和えにしても美味しい。刻んでサラダに入れてもいい。フルーツを野菜にしちゃう。日本人の文化にはないですが、海外ではフルーツが野菜サラダに普通に入っています。常温で保存可能な干し柿のようなドライフルーツやナッツをサラダにトッピングすると、アスリートに重要な栄養素のビタミンCやマグネシウムなどミネラルも補充できますよ。
アスリートのコンビニ食 食べてほしくないものもある。
落合 逆に、コンビニ食というか手軽に買えるもので「これだけは食べてほしくない」ものがあります。
六角 菓子パンですよね。
落合 菓子パンを食事代わりにしている人もいるけど、糖質や保存料も多く、おすすめできません。原材料の表示を見て、自分が何を食べているか知ることが大事です。パンはおやつであって、食事ではない。すぐ、おなかが空くんです。私の場合、朝7時に食べたら、10時くらいにはおなかがグーっと鳴ります。ごはんを食べる場合、だいたい副菜がつく。パンだとパンだけになることが多い。アスリートには、もっとごはんを食べてほしいと思っています。
六角 麺類も食べるし、パワーも必要なので肉もよく食べます。家で料理するときも肉じゃが、肉野菜いためとか、野菜を使うようにしています。
落合 麺類でも、たとえばパスタだったら、ソースは何を選ぶかですよね。例えば、試合当日にパスタを選ぶとしたら、まず消化吸収を考え、脂質の多いクリーム系より和風やトマト系をチョイス。ただ、クリームはカルシウムやたんぱく質を摂ることができます。それぞれに食べるタイミングと必要な栄養素を考えて選ぶといいですね。ウインナーはおいしいんですけど、脂が多いのでゆでて食べるとか、ホットドッグのなかにピクルスとかレタスを入れるとか。酢は体にいいですね。
六角 昔はなんでも好きなものを食べていましたが、今はプラスして「体に必要なもの」をとるようにしています。おかげで体力がつき、試合では体が以前より動きやすくなったと実感しています。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
〔文/構成:ココカラネクスト編集部 〕
六角 彩子(ろっかく・あやこ)
1991年10月24日、茨城県生まれ。日本代表で活躍中の内野手。女子野球W杯で優勝した2010年、国際野球連盟MVPに選出された。埼玉栄―帝京平成大。現在はクラブチーム「侍」所属。右投げ右打ち。157センチ。
落合千賀子(おちあい・ちがこ)
アスリートフードマイスター2級。スポーツ選手への栄養指導や講演などを行う。東京女子体育大で教員免許取得。ソフトボールで国体出場経験あり。