大谷翔平への“報復死球”が残した課題 「当てるのは絶対にダメ」元阪神スアレスを巡る論争【ドジャース回顧録 vol.4】

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 ヘイマン記者は、さらに熱弁を続ける。

「オオタニは次元を超えた存在だ。当てるなんてことは許されないよ。彼が出る試合は最初の一球から最後までワクワクが続くんだ。ロサンゼルスの人間が最後まで残って試合を見てるってことが何よりも凄いことなんだ。だから野球界のためにも、彼に意図的にぶつけるなんてことはあっちゃいけない」

 実際、スアレスはこの死球の直後に退場を宣告され、その後MLBから3試合の出場停止と罰金処分を受けた。ただし本人は「狙ったわけではない。退場は審判の判断だ」と故意を否定した。

 報復という“慣習”と選手の安全、スター選手の保護と競技の厳しさ。大谷に向かった速球は、一人の打者だけでなく、メジャーリーグ全体に重い問いを突きつけたと言っていい。

 2025年を振り返るとき、あの6月の連戦は単なる乱戦ではなかった。暗黙のルールの是非を考えさせた出来事として、確かな爪痕を残したシーズンの一場面だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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