“目玉”の立石を引き当てた阪神は3項目で「A評価」 即戦力左腕の単独指名も疑問が残った巨人の選択とは?【ドラフト総評/セ・リーグ編】

タグ: , , , , 2025/10/31

中日に単独指名された中西。その安定感は今季の大学球界でナンバーワンだ(C)産経新聞社

大学ナンバーワン投手を引き当てた中日の充実指名。ただ…

【中日】
即戦力:A
将来性:B
戦略:B
総合:B

 1位では大学ナンバーワン投手の呼び声高かった中西聖輝(青山学院大・投手)の単独指名に成功。2位でも大学球界屈指の安定感を誇る桜井頼之介(東北福祉大・投手)を指名し、ともに1年目からある程度の戦力となることが期待できる。3位では逆にスケールが魅力の篠崎国忠(徳島インディゴソックス・投手)を指名し、投手陣の補強については大きなプラスとなった印象だ。

 もっとも、現有戦力の野手陣にまだまだ課題が多い中で、これだけ投手を優先したというのは懸念ポイントではある。指名した野手も5位と6位の大学生2人は中日のみが調査していたとのことで、「打てる選手」が必要なチーム事情を考えても他のチョイスもあったようにも見えた。

【広島】
即戦力:B
将来性:B
戦略:A
総合:B
 1位では立石正広(創価大・内野手)こそ外したが、スケールの大きさに定評がある平川蓮(仙台大・外野手)を指名。外野手陣における世代交代の必要性を考慮しても、この指名は理解できる。また、もうひとつの課題だった投手は大学生右腕を4人指名。全員が1年目というよりも2年目以降に大成しそうな選手たちで、準即戦力という印象だが、確実に投手陣の層は厚くなった。

 少し手薄な二遊間にも即戦力候補の勝田成(近畿大・内野手)、スケールの大きい西川篤夢(神村学園伊賀・遊撃手)を指名。補強ポイントに見合う選手を重ね、順位感も違和感がなく派手さはないもののバランスの良い指名だったという印象だ。

【ヤクルト】
即戦力:B
将来性:B
戦略:C
総合:C

 1位では松下歩叶(法政大・内野手)を単独指名。村上宗隆のメジャー移籍が決定的な情勢を考えると理解できるが、目玉の立石正広(創価大・内野手)をスルーした姿勢はどうしても気になる。また、2位の松川玲央(城西大・内野手)も脚力とスケールは魅力だが、今年は怪我で大きく成績を落としており、上位指名をする必要があったかは疑問だ。

 3位の山崎太陽(創価大・投手)も典型的な未完の大器で、現在の実力とリーグ戦0勝という実績などを考えてもかなり順位が高いように見えた。4位の増居翔太(トヨタ自動車・投手)、6位の石井巧(NTT東日本・内野手)で即戦力を補ったが、増居は去年も指名できた選手であり、全体的に疑問の多い指名となった。

[文:西尾典文]

【著者プロフィール】

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。

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