カオスな展開となったバクーの市街地を激走した角田(C)Getty Images
F1の公式予選史上で最多となる6回の赤旗中断
「このマシンで、どうやってロングランに臨めばいいのか。それがようやくわかってきたんだ」
そう自信を口にしていた25歳がバクーの市街地で好走した。
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現地時間9月20日に行われたF1今季第17戦となるアゼルバイジャンGPの予選で、レッドブルの角田裕毅は、移籍後最高位となる予選6番手を獲得した。
雨も降り出す悪天候によってクラッシュなどのアクシデントが各所で噴出。計6度も赤旗が出る大荒れの展開となったレースで、前日のフリー走行でロングランでの走りに時間を割いた角田は、安定したパフォーマンスを披露。2戦連続での予選3回目(Q3)へ進出を果たし、6番手でフィニッシュ。決勝での表彰台も狙える3列目のグリッドを確保した。
「FP2のロングランから今までと違う感触があった。だから明日はもっと自信を持って走れると思う」
予選後にレッドブルの公式インスタグラムに投稿された動画内で、そう語った角田は、F1公式のフラッシュインタビューでも「ポジティブに受け止めている」と現チームに所属して以来、最高の順位で決勝を迎えられる結果に満足感を示した。
ポイント獲得を狙う上での肝となる予選での結果はかねてから首脳陣から「課題」として指摘されていた。チームアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士からは「今からコンストラクターズランキングで2位を狙うのは現実的じゃない。なぜならツノダがあまりにもポイントを取れなさすぎるからだ」と断じられたこともあった。
一方で今回の結果はライバルたちの相次ぐアクシデントによって舞い込んだものという見方もできる。強風に加えて、雨という最悪と言っていいコンディションの中、4度の赤旗が提示されたQ3までにピエール・ガスリーとフランコ・コラピントのアルピーヌ勢をはじめとする4台がクラッシュによって離脱。
さらに勝負所のQ3でもシャルル・ルクレール(フェラーリ)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)という上位陣が相次いでクラッシュ。F1の公式予選史上で最多となる6回の赤旗中断が行われた。かくいう角田も「バクーでは常に変化が起こり、わずか数ミリの違いが勝敗を分けることもある。今日もかなりカオスだった」と振り返り、レース展開の難しさを語っている。