衝撃の大惨事はなぜ起きた? 角田裕毅とフェルスタッペンのQ1敗退を招いたレッドブル陣営の“誤算”「何かが本当におかしいんだ」
メキース代表に自身の考えを訴えかけるフェルスタッペン(C)Getty Images
レッドブルが招いた19年ぶりの大惨事
衝撃的なレースとなった。現地時間11月8日、F1の今季第21戦となるサンパウロGPの公式予選がブラジルのインテルラゴス・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅が1回目(Q1)に出走した19台中の最下位(19番手)で敗退した。
【動画】一体なぜ? グリップ不足に不満が爆発した角田のクラッシュシーン
開始早々から何もできずに終わった。前日のフリー走行(FP)で全体最下位の20位と低迷と終わった角田は、ローラン・メキース代表曰く「リスクを冒して、セッティングを大胆に変更した」とリアウイングとサスペンションをテコ入れ。課題とされたグリップの改善を図ったが、最後までマシンは向上しなかった。
グリップ不足に苦しんだ角田は、理想的な形でタイムが伸ばせず。Q1のセッションが終わる間際に新品のソフトタイヤに切り替えるも、ノックアウト圏内からの脱出は叶わなかった。
衝撃が広まったのは、角田の結果だけではなかった。なんと絶対的エースのマックス・フェルスタッペンもQ1敗退の憂き目に遭ったのだ。15番手となったカルロス・サインツ(ウィリアムズ)と0.066秒と僅差ながら16番手に落ちた。彼がQ1で姿を消すのは、2021年9月のロシアGP以来、約4年ぶりの“事件”であった。
まさに大波乱である。レッドブルの所属ドライバー2人が揃ってQ1で敗退するのは、F1参戦初年度となる2006年10月の日本GP以来の2度目の出来事だ。ゆえに角田とフェルスタッペンの失速は地元メディアでも大々的にクローズアップされている。英衛星放送『Sky Sports』は「ツノダは予選で苦戦を繰り返してきたが、フェルスタッペンが16番手に落ちたことは大きな驚きだ」と強調。「この悲惨なパフォーマンスによってレッドブルはリスクを冒した代償を背負った」と陣営の決断を糾弾している。
当然ながら両雄は困惑の色を隠せない。F1公式のフラッシュインタビューに応じた角田は「うーん…まぁ、そうだね…。正直なところ、グリップの不足が予想外すぎて驚いている。何が起きたのかを真剣に考えなければいけない。まったく想定していなかった事態だった」と吐露した。
マシンの改善に少なからず感触はあった。しかし、角田は「改善を感じられたのは良かったけど、不運だったんだと思う。チームとして何かを間違った」と証言。やはり大惨事とも言える結果を招いたマネージメントを問題視した。
無論、フェルスタッペンからも不満が漏れる。レース後に応じた『Sky Sports』のフラッシュインタビューで「どうしてこんなに酷い状況になるのか。僕にはよく分からない」と苛立ちを隠そうとはしなかった。
「とにかく酷かった。まったくプッシュができなかったんだ。クルマはあちこちで暴れ回って、大きく横滑りしたし、何も感じなかった。何かが本当におかしいんだ。僕らは大きなトラブルを起こさないために、かなり控えめに運転せざるを得なかった。もちろん予選でそんな運転しないし、通用しない」






