高梨沙羅がスーツ違反で失格にされ、薬物濃度200倍のワリエワが失格にならない闇五輪

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 ワリエワの出場続行については、あくまで暫定で認められたにすぎず、ドーピング疑惑が晴れたわけではない。調査は後回しになり、結果次第では団体戦メダルはく奪の可能性もある。個人戦も暫定順位になるため、ワリエワが3位以内に入った場合はメダル授与式を実施しないと事前に発表されていた。犠牲になる他の競技者から怒りの声が殺到するのも当然だった。

 SNSでは「またロシアか」の声があがる。14年ソチ五輪で、ロシアの組織的なドーピングがあったと国際オリンピック委員会(IOC)が認定。制裁として2022年12月まで国家としての国際大会への出場を禁じた。五輪も18年平昌、20年東京、22年北京と3大会連続で出場が認められず、かわりに「ロシア・オリンピック委員会(ROC)」から違反歴や疑惑がない選手で個人参加している。にもかかわらず、ロシア人選手のドーピング違反は近年も複数報告されているのが実情だ。

 10年バンクーバー五輪でフィギュアスケート女子の金メダリスト、キム・ヨナ(韓国)が「ドーピング違反をした選手は試合に出場できません。この原則は例外なく順守されなければなりません」とインスタに投稿した。多くの賛同を集め、人々の思いを代弁している言葉だが、五輪では「当たり前」のルールが順守されない。

 スキー・ジャンプの高梨沙羅(25)は、スーツ規定違反を理由に失格となった。競技ルール違反の選手は即失格処分にしても、体をむしばむ薬物違反の選手が失格にならない。五輪は不条理だ。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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