公表する?しない?ドラフト会議における「公表」のメリットって何?

タグ: , 2019/10/17

(1)他球団への「牽制球」

 競合には「ハズレ」というリスクが伴います。どの球団も、単独で行けるに越したことないというのが本音でしょう。抽選のライバルは少なければ少ないほど、ありがたいわけです。

 北海道日本ハムは6月2日に「1位は佐々木」を表明しています。いくら佐々木の実力が抜きん出ているとはいえ、まだ夏の高校野球地方大会も甲子園も、都市対抗も行われていません。そこで他に素晴らしい選手が出てくる可能性もある。しかし、「それでもウチは佐々木」と早期の表明をした裏側には「佐々木に行くなら、抽選は避けられませんよ」というメッセージも込められているわけです。

 広島東洋は森下を、中日は石川を公表したことで「もう単独では取れませんよ」と、必要以上に競合数が増えないよう、牽制球を投じた格好です。公表していない6球団の中で、森下や石川に「特攻」する球団があるのか、あるいは公表した成果で、単独での交渉権獲得がなされるのか、このへんの駆け引きにも注目です。

(2)指名候補への「誠意」

 どんな1位候補であろうと、「本当にプロは最上位で指名してくれるのか」と当日まで内心は不安であると、誰もが口を揃えます。そんな中、いち早く指名を確約してくれる球団の存在は、ありがたいものです。

 10年前の2009年には巨人が、前年のドラフトで千葉ロッテの2位指名を拒否してホンダに残留していた長野久義(現広島東洋)への1位指名公表を、異例ともいえる2月に行ったことがあります。これは「ウチは絶対に長野君を指名するから、安心して目の前の大会に集中してください」というメッセージに他なりません。

 しかしその年、超高校級サウスポー、花巻東高校の菊池雄星投手(現シアトルマリナーズ)が出現し、巨人ファンは「ウチのチームは雄星投手には行けないのか」とわずかな悔しさを抱いたこともありました。

 早期の公表はそれだけ一途な「恋心」の表れでもありますが、その分、「どっちにしようかな~」と目移りできなくなるというのは、男女関係に似ているといえなくもないです。

 さて、公表6球団の「真心」は通じるのか、あるいは新たな「恋敵」が華麗に奪っていくのか-。

 運命の瞬間を、存分に楽しみましょう。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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