殊勲打も「神のおかげ」と漏らしたベッツに飛んだ檄 苦しみを知る名手ジーターだからこその“言葉”「そんなこと言うのはやめろ」
深刻な不振に悩みが深まっているベッツ(C)Getty Images
安堵したような表情が苦しみの深刻さを物語るようだった。
現地時間10月31日に行われたワールドシリーズ第6戦で、ブルージェイズに王手をかけられたドジャースに貴重な勝利をもたらしたのは、ムーキー・ベッツだ。試合前までの段階で同シリーズ打率.130と苦しんでいた男は、3回表に決勝打となる2点適時打を放った。
決して楽な状況ではなかった。今シリーズを通じて、2番から3番、そして4番へと打順を下げていたベッツ。自ら「ひどい状態だ。単純に努力不足ならいいんだけど、そうではないから分からない」と漏らしていた34歳は路頭に迷っていた。
それでも大一番で殊勲打を放つ。1点を先行した3回二死2、3塁という絶好機で打席に立ったベッツは、相手エースのケビン・ガウスマンに対して何とか食らいつくと、カウント1-2からインハイに投じられた154キロの4シームを強振。めいっぱいに引っ叩いた打球は、あっという間に三遊間を抜けた。
敵地のファンが沈黙する状態で、会心のガッツポーズを披露したベッツ。その顔にはチームに貢献できたという安堵感が広がっていた。
そんな悩める34歳にはエールも送られた。
試合後に米スポーツ専門局『FOX Sports』のハイライト番組に生出演したベッツは「正直に言うと、自分でも分かってるんだ。ここまでの俺は良くなかったって。今年は色んなことがあったし、本当に良い年だったとは言えない。今日打てたのも何が良かったかは分からない。神のおかげとしか言えないよ」と吐露。これに「いいか。まず第一に、『自分が良いプレーしてない』なんて漏らすのはやめるべきだ」と断じたのは、ゲスト解説だったデレク・ジーター氏だ。






