女子ボクシング性別騒動にIOCバッハ会長も意見 誹謗中傷を受ける2選手を擁護「女性として疑う余地はない」【パリ五輪】
ケリフ(右)とリン・ユーチン(左)。パリ五輪に参戦する二人に対する騒動の余波は広まり続けている。(C)Getty Images
パリ五輪の女子ボクシングに参戦中の2選手を巡って大論争が起きている。
騒動の渦中にいるのは、女子66キロ級と同57キロ級にそれぞれ参戦しているイマネ・ケリフ(アルジェリア)とリン・ユーチン(台湾)だ。2人は昨年の世界選手権前の性別適格性検査で「XY染色体を持っている」とされて失格。出場権も剥奪されていたため、パリ五輪の参加が疑問視されている。
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ともに大会初戦を制し、準々決勝に進出した。ただ、先述の経緯から世界的に波紋が広がり、一部からは当事者に誹謗中傷が相次ぐ異様な事態となっている。
そうした中で参加を認めた国際オリンピック連盟(IOC)の“御大”が事態の収拾に動いた。現地時間8月2日の定例会見で同連盟のトーマス・バッハ会長は「ハッキリさせておきたいことがある。女子ボクシングについてだ」と切り出し、「女性として生まれた2人のボクサーがいる。彼女たちは女性として育てられ、女性としてのパスポートを持っている」と強調。ケリフとリン・ユーチンを擁護した。
「2人は何年もの間、女性として競技に出場してきた。これは女性としての明らかな定義だ。彼女たちは女性として疑う余地はない。ある人々は女性としての定義を自分自身で持ちたがっているようだが、これは科学的な根拠に基づいたものである。どうして女性として生まれ、育てられ、競技に出場し、パスポートを持つ女性を、女性と認められないというのか」