「私はIOCから招待された」性別騒動の台湾女子ボクサーが金メダル 漏れた涙の理由も激白「色んな苦労が一気に」【パリ五輪】
金メダルを手にした瞬間に涙したリン・ユーチン。(C)Getty Images
こみ上げる涙は抑えきれなかった。
現地時間8月10日に行われたパリ五輪の女子ボクシング57キロ級決勝で、リン・ユーチン(台湾)がユリア・シェレメタ(ポーランド)に5-0の判定で完勝。見事に悲願だった金メダルを獲得した。
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決して楽な道のりではなかった。リン・ユーチンは66キロ級で金メダルに輝いたイマネ・ケリフ(アルジェリア)とともに、昨年に国際ボクシング協会(IBA)が主催する世界選手権の検査で「XY」染色体を持つと証明され、女子選手としての出場権を剥奪。このパリ五輪は国際オリンピック委員会(IOC)が「女性として生まれた2人のボクサーがいる。何年もの間、女性として出場してきた」と出場を認可するも、二人の参戦を巡って世界的論争が起きていた。
東京五輪に出場していたリン・ユーチンも世間の誹謗中傷の的となった。それでも彼女はリング上のパフォーマンスに集中し続け、あっという間に決勝まで勝ち進んだ。
迎えた決勝でリン・ユーチンはリーチ差を活かした得意のアウトボクシングで、着実にポイントを奪って優勢に試合を展開。相手に付け入る隙を与えずにフルマークでの快勝を収めた。目を閉じ、判定結果を祈るように待った。そして勝ち名のりを聞いた瞬間に思わず雄叫びを上げた。普段はクレバーな彼女が感情を爆発させた。