クラブW杯は「無意味な大会」 過密日程が続くサッカー界にクロップ氏が嘆き「もう選手に本当の意味での回復は望めない」
監督時代から目に余る過密日程に「選手は酷使されている。誰かの助けが必要だ」と訴えてきたクロップ氏は、母国の日刊紙『Welt』のインタビューにおいて「これは最も無意味な大会だ。この大会で勝った者は、『史上最悪の優勝者』となるだろう。なぜなら、彼らは夏中プレーし続けた後、すぐにリーグに戻らなければならないからだ」と主張。その上で、次のようにFIFAを皮肉っている。
「間違いなくサッカー史上最悪と言えるアイデアだよ。最近ではサッカーの日常業務に関わったことのない人がひねり出しているようだね。たしかに参加すれば、莫大なお金が得られるが、すべてのクラブが貰えるわけじゃない。それに昨年はコパ・アメリカとEURO(欧州選手権)があって、今年はクラブ・ワールドカップ、そして来年にはワールドカップがある。つまり、もう出場する選手たちには、肉体的にも精神的にも、本当の意味での回復は望めないと言うことだ」
さらに「高額な年俸を稼ぐNBA選手でさえ、毎年4か月は休暇を取る。だが、フィルジル・ファン・ダイク(リバプールのオランダ代表DF)は、キャリアを通してそれしか得られてない」と過度な試合を選手に強いるサッカー界の現状を嘆いた58歳のドイツ人は、こうも続けている。
「試合数が多すぎるよ。私は、来シーズンにかつてないほどの負傷者が出るのではないかと心配している。その時でなくても、クラブ・ワールドカップ中か後にはそうなるだろう」
業界の酸いも甘いも知る名将の嘆きとは裏腹に、過密日程が進行していくサッカー界。大会を主催する関係者の耳に、“現場の声”が届く兆しは一向に見られない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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