柳田悠岐に砕かれた一球に何を思う? 石井大智が日本シリーズ後に口にした“末恐ろしさ”「内容は昨年より落ちている」【阪神】

タグ: , , , , 2025/11/11

柳田に痛恨の一発を浴びた石井。呆然と打球を見送り、マウンド上でガクッと肩を落とした(C)産経新聞社

背番号69の表情がゆがんだ甲子園

 阪神の2025年シーズンが終わりを告げたのは、10月30日の日本シリーズ第5戦だった。ソフトバンクに2-3で敗れて2年ぶりの日本一の夢は潰えた。その試合後、私は石井大智の囲み取材に入っていた。

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「今日打たれたから言うわけじゃないですけど、本当に4試合の中でやっぱり力の差を感じていたので。今日も柳田選手、自分的には投げ切れた球だったと思うんですけど、明らかに力負けです」

 ご存じの通り、NPB新記録の50試合連続無失点をマークしてレギュラーシーズンを終えるなど1年を通して、ほとんどの試合で失点することのなかった右腕が口にした“完敗宣言”に少し驚いた。

 この試合で石井が表情をゆがめたのは、阪神が2点をリードした8回。背番号69が見せつけてきた無双ぶりを知る者からすれば何の心配もなく安心して見ていられる場面だったが、パ・リーグ王者が牙をむいた。

 先頭の嶺井博希に右翼前に運ばれたものの、代打のジーター・ダウンズは空振り三振に抑えた石井は、迎えた1番の柳田悠岐に投じた初球、外角への150キロの直球を捉えられた。高々と舞い上がった打球は逆方向の左翼スタンドに着弾。起死回生の同点2ランを浴びた背番号69は呆然とマウンドに立ち尽くしていた。

「自分の今できるベストはやれた球だったのかなと思いますし。明らかに力不足。技術も力もすべてにおいて」

 レギュラーシーズンでの獅子奮迅の活躍による蓄積疲労も当然あるだろう。それでも、投じた一球が、あの瞬間のベストボールだったのは間違いない。それを打ち返され、素直に完敗を認めた。私は石井の表情や言葉から凄みを感じていた。

 1軍で投げ始めた数年前の石井は、「超」が付くほどの完璧主義者のイメージだった。無失点でも3者凡退で終われなかった登板内容に納得ができず、悔し涙を流したこともあった。どちらが良いという話ではなく、前人未踏の1年を終えた瞬間に自身の力不足を潔く認め、前を向いていく姿に末恐ろしささえ感じてしまった。

 それほど、「石井大智の2025年」は圧倒的で唯一無二だった。レギュラーシーズンで失点を喫したのは、4月4日のジャイアンツ戦が最後。頭部への打球直撃で離脱した期間はあったものの、マウンドに上がればゼロで帰ってくるという仕事をチームの勝敗を背負うセットアッパーというポジションで遂行し続けた。

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