地元愛知で愛された右腕・祖父江大輔が12年の現役生活に幕 現役続行の可能性も貫いた中日への思い
中日一筋を貫き、現役生活を終える祖父江(C)産経新聞社
らしい形で節目の日を迎えた。
中日は9月5日、祖父江大輔の現役引退を発表。同日午後に引退会見を行った。地元・愛知県で生まれ育った右腕は、中継ぎ一筋12年のプロ人生に幕を閉じることを決断。多くの選手・ファンに愛された男がグラウンドを去る。
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■プロアマ通じて地元・愛知でプレー
地元・愛知県で生まれ育ち、高校〜大学〜社会人も全て愛知県のチームでプレー。地元球団である中日と縁ができたのは必然のようだった。
2013年にドラフト5位で中日に加わった祖父江は、26歳でのプロ入りゆえ、1年目から即戦力として1軍の戦力に。縦・横のスライダーを投げ分け、54試合に登板した。キャリアハイは7年目の2020年。福敬登、ライデル・マルティネス(現巨人)と勝ちパターン「大福マル」を結成し、防御率1.79をマーク。リーグ最多の30ホールドポイントを記録して、チームのAクラス進出に大きく貢献した。
その後も中継ぎの一員に名を連ねるが、若手の台頭とともに徐々に登板機会が減少。今季は6月11日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で通算500試合登板に到達するも、2軍暮らしが長くなっていた。9月5日時点で1軍登板数は18。これはキャリアで最も少ない数字だ。
■笑いに包まれた引退会見
会見で明かされたのは、「今季限りで構想外」を告げられたこと。引退か他球団での現役続行かを迫られる中、祖父江は「中日で終わりたい」と引退を決意。自らが戦力になれていないことを薄々感じていたようで、サバサバした表情が印象的だった。質疑応答が進むにつれて、会見場が笑いに包まれるのも愛される人柄ゆえか。
ひと通り質問が終わった後、手持ち無沙汰になった祖父江は「花束はまだですか?」と笑いを交えながら報道陣に話した。近年の中日の引退会見は仲の良いチームメイトが花束を持って集まるのが通例。先日の中田翔の会見でもブライト健太らが駆けつけていた。
さすがに祖父江だけ無しになることはなく、大野雄大や柳裕也などが登場。ただ、大野は「本日の主役」タスキをかけて、柳は花束を大野に贈呈してそのままハグ。引退会見らしからぬ「やりたい放題」で笑わせた。そして、祖父江は「お前じゃないだろ!」と笑顔でツッコミ。バラエティ番組を見るようなやり取りに、思わず笑い泣きしたファンも多かったのではないか。






