“札束攻勢”の金満補強を続けるドジャースは「悪」なのか 米記者が異論「ファンは的外れ。ルールを理解していない」
今オフのFA市場で目玉となっていたスネルを口説き落としたドジャースは、猛批判を受け続けている。(C)Getty Images
ドジャースの大物投手獲得に不満の声が広まった。
現地時間11月26日、ドジャースは今オフのFA市場にいる投手の人気銘柄でもあったブレイク・スネルと契約合意。6200万ドル(約94億円)の後払いを含む5年総額1億8200万ドル(約276億6000万円)の大型契約を締結した。
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昨オフに総額12億3700万ドル(約1833億円)の大補強を展開した“銀河系軍団”は、今冬もテコ入れに余念がない。一方で4年ぶりのワールドシリーズ制覇も成し遂げてからも続く強化に、他球団のファンからはすさまじい批判が集中。とりわけ戦力均衡のために設けられた「ぜいたく税」の支払いを最小限に止める後払い契約の乱発にはハレーションが広まっている。
無論、後払い契約は禁じられてはいない。「不公平だ」や「野球が台無しになる」と非難をされようと、ドジャースは現行のルール上で強化を図っているにすぎないのである。
ゆえにドジャースの金満補強を叩く風潮には異論も飛んでいる。米メディア『OUTKICK』のイアン・ミラー記者だ。
スネル獲得に対するファンのドジャース批判を「的外れで、野球の仕組みを誤解し、責任がないところに責任を押しつけている」と切り捨てる同記者は、「怒りの矛先を向けるべきは、チームをより良くするためにカネを使うことを拒む他の億万長者のオーナーである」と断言。
そして、契約期間中にスネルの年俸が1300万ドル(約19億6300万円)に抑えられる契約形態を伝えた上で、批判に対する“違和感”に切り込んだ。
「激怒しているファンは選手組合とオーナーグループの双方が合意している、選手が選択すれば金銭を繰り延べできるルールを理解していない。(後払いは)引退後の給与も保証し、新チームに現ロースターをさらに強化し続けるための財政的柔軟性を与えているにすぎない。そしてドジャース以外のチームもそれを利用しようと思えばできたはずだ。オオタニは30球団すべてが獲得可能だった。スネルもそうだし、フリーマンもそうだった」