今季ワーストの5連敗&借金「9」…井上中日に訪れた“最大の正念場” 再起のキーマンは「上昇気配の2人の大砲」
この作戦は奇襲の部類ではあるのだが、何度か使っていくうちに奇襲ではなくなる。ベンチワークに疑問が残る結末だ。打者もこの日マルチ安打を放っていた山本泰寛だっただけに、彼の打力に頼っても良かったのではと考えてしまう。
他方、敵地・横浜スタジアムでのDeNA戦では、守りの細かいミスや先発投手の立ち上がりに課題が残った。佐藤龍世や上林が打球に触りながらも安打を許した後に失点。先発投手は3戦とも初回に点を奪われた。先制をしていてもすぐに相手に流れを渡してしまうと、なかなか勝てるものも勝てない。
ただ、光明もなくはない。横浜では細川成也とジェイソン・ボスラーに一発が生まれている。
四番に入る細川は広島戦で3戦連続無安打だったものの、1日の試合では、球界屈指の左腕である東克樹からスコアボード直撃弾。打てるゾーンまで呼び込んで、低めの見極めもできており、トップフォームに近い状態まで戻ってきた印象だ。
細川の後を打つボスラーは1日こそ無安打だったが、最後の打席ではあわや同点弾の大飛球。すると、2日と3日で2試合連続本塁打を記録。3日は初回に先制3ランを叩き込んでおり、マイナー通算162発の実力を発揮しつつある。
夏は投手がへばり、その分打者が奮起する季節。主軸を任される2人の大砲がしっかりしていれば、得点力不足が深刻になることはないはずだ。
4日からのヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)ではもう一度シンプルに立ち返るのが良いのではないか。取れるアウトを取る。主軸のバットで得点を重ねる。そして、リードを守り切って勝つ――。
幸いなことに、中日は清水達也&松山晋也という「最強の勝ちパターン」を持っている。極端な話、7回までにリードを奪っていれば良いのだ。これ以上、上位チームに置いていかれないよう、確実に白星を拾っていきたい。
[文:尾張はじめ]
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