「超速ラグビー」が噛み合わないエディージャパン 「経験と知識を蓄積」させるための次の一手は?

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 後半ロスタイムに入って文字通りジャパンにトドメを刺したイタリアのスクラムからのトライが象徴的だった。シンビンで一人少ないイタリアをジャパンが必死に押し込むが、その力をうまくそらしたイタリアが、押しに専念してディフェンスがお留守になったスクラムサイドをついて、悠々とインゴールを陥れたのだ。

 全ての場面で常に必死だったジャパンと、相手のミスを待つ余裕のあったイタリア。この余裕は、今年のシックスネーションズでスコットランド、ウエールズを撃破し、フランスと引き分けた実績からくる自信がもたらしたものだろう。

 以前のイタリアはラテン気質そのままに、ツボにハマればとてつもない強さを発揮するが、反面ミスで自滅することが多いチームだった。昨年のW杯後からチームを指揮するようになったアルゼンチン人のゴンサロ・ケサダHCの下、チームは着実に強化が進められている。7月15日時点の世界ランキングは8位(ジャパンは同14位)と「強豪の一角」と目されるに相応しい位置にいることを鑑みても、シックスネーションズの王座獲得、南半球の強豪国撃破もそう遠い日のことではないかもしれない。

 このイタリアの躍進はシックスネーションズに参加し、毎年強豪国との対戦を繰り返してきたことがもたらしたものであると言って良い。ジャパンも南半球のザ・ラグビーチャンピオンシップか、シックネーションズの枠組みに入ることを本格的に検討すべき時期に来ているのではないか。

 イタリアの躍進もさることながら、ザ・ラグビーチャンピオンシップに参加してからのアルゼンチンもW杯で常に4強以上を狙えるチームに成長した。試合後のインタビューでエディーHCは「経験や知識を蓄積することが大切」と語っていたが、経験や知識の蓄積に最適なのは海外の格上のチームたちとの対戦を数多くこなすことだ。イタリア戦で明らかになった技術不足を解決するための猛練習とともに、毎年、世界のレベルを実感できる舞台を用意することがジャパン躍進のカギとなるだろう。





[文:江良与一]

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