【エディージャパン検証】収穫よりも課題が目についたカナダ戦 ”圧勝”できなかった最大の要因は?

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 サマーシリーズのイングランド戦で観た光景が繰り返された形となった。幸いにしてカナダにはこの戦法を継続し切るだけのフィットネスが備わっていなかったので2本で済んだが、フィジカルの強さでカサにかかって攻めてくる相手への対応策はこれからの研究課題だろう。

 この2トライでジャパンにはリードしているにも関わらず焦りが見られ、ノックオンやパスミスなどのハンドリングエラーが度々見られるようになった。カナダ代表にはそのミスを突くだけの素早さがなかったために致命傷には至らなかったが、ランキング上位国はこうした隙を決して見逃さない。個人としてもチームとしてもより一層のスキルアップが求められる。

 そして、ジャパンが快勝止まりで、圧勝できなかった最大の要因は、サマーシリーズを通して相手を押し込み続けたスクラムで苦戦したことだ。

 ペナルティーを3本、フリーキックを1本与え、押し込んでボールを奪ったり反則を誘ったりする場面がほとんどなかった。スクラムにおいて右プロップは、通常、左腕でフッカーのジャージの左脇の部分を掴んでパックを固めるのだが、カナダの右プロップは左腕を真後ろに下げ、2番のパンツを掴んでいた。先発の右プロップ独自のパック方法かと思ったが、交代で出てきた右プロップも同じパック方法を用いていた。恥ずかしながら筆者はこのパック方法を初めて観たのだが、スクラムの一番のキープレーヤーである右プロップが、このパック方法を用いてジャパンのスクラムと互角以上に組み合えたということは、それなりに効果がある方法なのかもしれない。

 収穫よりも課題が目についた一戦ではあったが、とにもかくにも、サマーシリーズ終盤の悪い流れはこの勝利でいったん断ち切れたはずだ。まずは、次戦のアメリカ戦にも勝って、フィジー、サモアといった格上チームが待ち受ける準決勝に駒を進めたいところだ。

[文:江良与一]

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