「好調だからこそ不安」な貴方への処方箋 森保ジャパンを「信じてもいい3つの根拠」を教えます
伊藤(左)と中村(右)は左サイドで連動し、強固な守備網を作り上げたC)Getty Images
次に「自信を持ちすぎて本番で油断してしまうのでは……」「良好な結果が修正点や課題感を薄めてしまうのでは……」についてだが、今回のイングランド戦で確信した。それは全く心配する必要がない。
今回、トゥヘル監督が指揮するイングランドは、ペナルティーエリア両端のポケットと呼ばれるスペースをねらい、左右CBの伊藤洋輝と渡辺剛をあの手この手で引っ張り出そうと試みてきた。フォーデンが中盤へ下りたり、左右サイドハーフのゴードンとロジャーズが中へ入ったり、あるいは彼らが大外に開いて、縦ズレしてプレスに行く中村敬斗や堂安律の背後に立って伊藤や渡辺を外へ誘ったり。
昨年のブラジル戦とパラグアイ戦では、左CB鈴木淳之介と左ウイングハーフの中村が前方に釣り出されて背後のスペースを空けがちで、カバーも利かず、実際に失点の要因になっていた。トゥヘルは少なくともメキシコ戦、パラグアイ戦、ブラジル戦を分析したそうなので、日本の隙を突こうとしたのではないか。
ところが、これはほとんど成功しなかった。なぜか? 日本の守備が修正されていたからだ。
鈴木淳に代わって出場した伊藤は、フラフラと動くロジャーズを見張りながらも、不用意に釣り出されることがなかった。前半28分にはロジャーズが大外へ開いて誘い、連動してアンダーソンが後方からポケットへ飛び出してきたが、動きを察知した伊藤はすぐに中へ絞り直す。ロジャーズの誘いに全く乗らず、ポケットねらいのアンダーソンをお出迎えした。伊藤は終始、危険なスペースに蓋をしていた。平然と、淡々と。
また、中村の守備も出色だった。スルーパスの遮断、中へ絞るカバーリングなど、守備のパフォーマンスが非常に良かった。先制点のアシストなど攻撃で良いプレーをするのは期待通りだったが、守備でこれだけのプレーを見せたのは驚きだ。「中村の守備が出色」なんて、初めて書いたような気がする。
これらの結果、日本がペナルティーエリアの幅で背後を取られたシーンはほぼなく、イングランドのチャンスになったのは、遠めからのミドルシュートと、最後の空中戦くらいだった。
日本の守備はきっちり修正されていた。しかも昨秋、ブラジルに3-2で劇的な逆転を果たし、「歴史的勝利だ!」と世間が沸き立つ中で、勝ちゲームから出た課題の修正を粛々と進めたわけだ。つまり、「自信を持ちすぎて油断」とか「課題や修正点を薄める」とか、全く当てはまらない。このチームは誰よりも自分たちに厳しい。心配は要らない。








