本物の安定感が漂う森保ジャパン 三笘薫と伊東純也が証明した「世界で勝てる理由」
三笘は改めてチームに欠かせぬ存在であることを証明した(C)Takamoto TOKUHARA
北中米W杯を見据えた重要なテストとなったこの2試合には、本来ならチームの中核を成すべき選手が、怪我のため参加していない。では今回の招集メンバーをゴール裏から見て、目に留まった選手は誰だったかと問われれば、それはやはりイングランド戦で中盤を構成した上記の4人のタレントたちだ。特に伊東と三笘のボール保持の有無に関係なくゴールへと向かうスプリントは、目を見張るものがあった。
まず、チーム全体に注目すると最近の日本には相手が格上、格下とどんなレベルの国と対戦しても落ち着いて試合を進め、ゲームプランを確実に遂行し、偶然ではなく必然的に勝利を奪取しようとする本物だけが持つ安定感が備わってきている。
そして、チームを勝利へと導く生命線は、シャドーとウイングバックによる、敵守備網を恐れない果敢な切り崩しにかかっていると改めて感じた。
相手の研究が容易になり、また研究されることも必至となった、情報化社会における現代サッカーでは、選手たちは戦術に沿った動きを重視し、その追及に邁進する。だが、型通りの切り崩しだけでは、ときにどうしても手詰まりとなってしまうことがある。
そこで最大の打開策となるのが、対峙する相手守備陣に怯むことなく、1対1の局面を単独で突破する、戦術の枠組みを超えた個人の技術だ。いや、技術はもちろんだが、もっとも重要視されるのは、真っ向勝負を挑もうとする精神面の強さだろう。
翻って攻撃を担う中盤の選手が相手の守備陣と勝負する熱量が低く、敵がいないスペースまではボールを運ぶが、間合いを詰められると簡単に後方へとボールを戻してしまうようでは、攻守に渡る流れは停滞してしまうことになる。
練習通りの戦術の遂行に固執してしまうのも同じ停滞を生む。戦術的な動きがただのボール回しになってしまうのだ。
その点で言えば、イングランド戦に先発した経験豊富な日本の攻撃的ミッドフィルダーたちには戦術、個人技の両方で力を発揮できるサッカー技術に加え、局面の打開において臆することなく相手に立ち向かう精神的な強さが漲っていた。
そして、この4人のなかの三笘と伊東は、勝利を呼び込むゴールを叩き出した。イングランド戦の三笘は、より前線に近いシャドーを務めたために相手の厳しいマークを受け、決して自由自在にプレーできたわけではない。それでもボールを持てば、待ち構える敵のスキを突いて風穴を開けようと虎視眈々と狙い、自らのドリブルからチャンスを作り、大一番でゴールを決めた。その勝負強さはさすがだった。








