逃せなかった家族を支える機会…薬物容認大会に出場決意のパリ五輪競泳銀メダリストが漏らした“本音”「経済的に別次元なんだ」

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 ではなぜ選手たちは身体の危険とキャリアのリスクを冒してでもエンハンスト・ゲームズに出場するのか。30歳のプラウドは、英公共放送『BBC』の番組内で「(大会に出れば)莫大な金銭的なインセンティブが約束される。それが重要ではないと言ったら嘘になる」と証言。大会出場によって得られる賞金が決断を後押ししたと自身の考えを赤裸々に明かしている。

「僕のような選手がたった1回のエンハンスト・ゲームズで獲得できる金額を稼ぐには、世界選手権で13年間タイトルを獲得し続けなければならない。だから、経済的に言えば、全く別次元の話なんだ。これだけの大金を稼げば、自分自身はもちろん、家族、そして母を支えるチャンスが与えられる。これは30歳になる僕にとって、絶対に逃せないチャンスだったんだ」

 当然なら出場によって五輪をはじめとする過去の世界大会で得た名声は失う。しかし、「僕の名声や世間の見方はそれほど重要ではなかった」と強調するプラウドは、こう続けている。

「人生で最も大切な15人、もしくは20人の支持を得られるかどうかだけが僕にとっては問題だった。もしも、彼らが決断の理由を理解し、支持してくれるなら、それだけで幸せだ。それにもう自分はオリンピックに3回も出場し、素晴らしいチャンスに恵まれた。今回は、約15年の歳月をかけて磨いてきたスキルを活かす別のチャンスが来たんだ。もちろん、まだ手にしていない世界記録や金メダルもあるが、今の僕がトライするには少し無理がある」

 薬物の使用についても「リスクはあるが、そこには大きな偏見がある」と断言するプラウド。エンハント・ゲームズに人生を懸ける彼らは、人体問題を危険視する世間の風潮など意に介してはいない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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