化かし合いシリーズ!「勝手にセルフ予告先発」の中嶋オリか、「予告拒否」の野村ID流・高津ヤクルトか
対するヤクルト高津監督は『貝』になった。予告先発を要求した中嶋監督の誘いに乗らず、先発投手の情報は徹底して隠した。起用は第1戦から奥川、高橋と結果的には順当だったが、「奇襲があるかもしれない」と相手に考えさせることに意味があった。
第3戦前日の練習日には陽動作戦に出た。先発候補の小川、石川、原、高梨の4投手が同じ動きをした。マウンド確認も一緒、キャッチボールも一緒。ベンチ裏に戻るのも同時で、先発日の参考になるブルペン入りも伊藤投手コーチが「全員ピッチングしています」とけむに巻いた。情報をかく乱し、先発隠しの意図は明らかだった。
高津監督には、ID野球・野村克也元監督の教えがベースにある。「弱いチームが予告先発をしても不利になるだけ」という恩師の言葉どおり、敵に対して事前に手の内を明かすことはしない。絶対的エースがいるオリックスに比べ、シーズン2ケタ勝利が1人もいない投手事情もあり、情報戦とデータを駆使した総力戦で勝負している。
セパの力の差が目立った近年と比較し、久々に「シリーズらしいシリーズ」と好ゲーム連発の熱戦が続く日本シリーズ。両球団の起用法、読み合いにも注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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