高校野手のドラフト有力株、モイセエフ・ニキータの将来像は? 柳田、吉田になれるポテンシャル プロでは守備強化が課題か

タグ: , , , , 2024/10/19

 モイセエフは強烈なスイングが目立つが、追い込まれてからは変化球を上手く拾ってヒットにするなど、対応力の高さも備えている。選抜の後に行われた春の県大会でも厳しいマークにあいながらも4試合で13打数9安打と7割近い打率を残した。

 吉田も高校時代からヘッドスピードの速さは際立っていたが、それに加えて芯でとらえる技術の高さを持っており、大学、プロでもさらに磨きをかけて球界を代表する打者となっている。柳田ももちろん対応力の高い選手だが、打撃の巧さという意味では吉田の方がモイセエフが目指すスタイルとしては合っているのではないだろうか。

 柳田、吉田という引き合いに出した選手を見ると、モイセエフへの期待が高いことがよく分かると思うが、それでもドラフト1位候補という声が聞こえてこないのもまた事実だ。

 その要因として考えられるのが打つ以外のプレーである。外野の守備は球際の強さはあるものの、守備範囲や肩の強さはそこまで目立つものがなく、脚力についてもドラフト候補としては際立ったものはない。プロでセンターを守れるのかという点はスカウト陣からも懸念点として挙げられる部分である。足と肩もプロでも上位のレベルにあった柳田と比べると外野手としての能力は少し疑問が残る印象は否めない。

 ただ打者としての将来性の高さは疑いようがないレベルにあり、守備と走塁に関してもここからレベルアップすることも期待できる。また柳田、吉田の2人は大学で大きく成長した選手であり、高校生の時点ではモイセエフの方が上回っていることは間違いない。将来の中軸候補が欲しい球団は上位で指名する可能性も高いだろう。





[文:西尾典文]

【著者プロフィール】

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。

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