“優勝請負人”の知られざる祈り フリーマンを支える母への想いと家族愛【現地発】
フリーマンは皮膚がん啓発を込めて長袖のユニホームを着用している(C)Getty Images
ドジャースのフレディ・フリーマンは5年間で3度、ワールドシリーズ(WS)を制覇した優勝請負人でもある。2021年にブレーブスで世界一に貢献。翌年にドジャースに移籍し、24年から球団初となる連覇の立役者となった。昨年は、WS第2戦でシリーズ史上初となる逆転サヨナラ弾で試合を決め、今年は延長18回の死闘となった第3戦で、再びサヨナラ本塁打を放った。試合後、「1年後にまたサヨナラを打つなんて、本当に信じられない」と振り返ったが、この劇的アーチがなければ、シリーズの結果は変わっていたかもしれない。
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頂点を目指す戦いは、ブルージェイズの本拠地カナダ・トロントから始まった。フリーマンは、特別な思いを胸に臨んでいた。「両親ともカナダで生まれ育っているからね。特別だよ。だから、いつもトロントに行くと、母に少し近づき、母を感じられるような気持ちになるんだ」。米国カリフォルニア州に移住したカナダ人の父フレッドさんと母ローズマリーさんの間に生まれた。10歳の時、皮膚がんで死去した母は、トロント周辺の出身だった。
「毎回トロントに行くたびに、ロッカーに小さな封筒が置いてあって、遠い親戚がガレージで見つけた写真みたいなものを持ってきてくれてね。だから、トロントに戻るのが僕は大好き。家族にとっても僕にとっても、特別な場所なんだ」
フリーマンは暑さが厳しくなる夏場でも必ず、長袖のユニホームを着用する。亡くなった母の皮膚がん啓発を込めて、プレーを続けている。17年と23年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、カナダ代表として参戦。家族とのつながりをいつも、胸に秘めている。今年5月11日の「母の日」には、9号ソロを含む4安打3打点と大活躍。見えない力が働いたかのように、打ちまくった。
絆を大切に、チームリーダーとして先頭に立っているフリーマン。24年は、父として試練を乗り越えた。7月中旬から下旬にかけ、当時3歳だった三男マックス君がギラン・バレー症候群を発症。身体にマヒが進み、呼吸も困難な状態となった。幸い快方に向かい、記者会見で状況説明をしたフリーマンは「3歳の子供が経験するべきことじゃない。彼はチューブとつながれ、呼吸器をつけていた。子供のいる方々も分かるとは思うけど、子どもたちが呼吸をつけて戦っている姿を見るのはとても辛かった」と涙を流し、言葉を詰まらせた。






