巨人が支配下ドラフトで「高校生」を指名しなかった理由とは
しかし、巨人取材歴があるスポーツ紙のデスクは、この意見に真っ向から反論します。
「むしろチームの現状をしっかり分析したからこそ、このようなドラフトになったんですよ。まず現在、巨人のファームは充実している。イースタン・リーグで優勝したのがその証拠です。育成にも支配下をうかがえる逸材がゴロゴロしている。彼らが一つの『物差し』になるわけです。ファームの現有戦力と比べた時、将来性で劣るとなれば、わざわざ指名する必要はないでしょう。ならば来季、阿部新監督のもとで勝つことが最大ミッション。一軍で戦力になれるとスカウト部が太鼓判を押したからこそ、2位から5位が『大卒社会人』で固まったと思いますよ」
前述のデスクはさらに、この即戦力4人の指名は、現在いまいち伸び悩む「中堅層」に対する刺激剤であるとも分析するのです。
「2位の森田は貴重な左腕として開幕ローテの一角を占めることが期待されます。3位の佐々木は俊足でパンチ力もあり、外野の一角のレギュラーをつかむ可能性も十分ある。4位の泉口は吉川尚輝に対して『その程度の数字で満足するな』というメッセージとも受け取れる(笑)。又木も中継ぎ左腕として一軍で使えそう。結果的にいいドラフトだったと考えます」
今年の異質なドラフトが正解だったかどうかは、5年後、10年後に答えがハッキリ出ると言えそうです。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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