大谷翔平への“故意死球発言”はなぜ生まれたのか? パドレス移籍の韓国人投手が語ったメディアの曲解「正直、悲しかった」
おそらく故意死球について報じる日本のメディアからすれば、反響を呼びやすく、切り取りやすいネタだったために、取り上げたにすぎないのだろう。ただ、当人は“問題発言”について母国メディアで釈明している。それは紹介しておきたい。
昨年12月に韓国の放送局『MBC』のインタビューでコ・ウソクは「自分は一度だって誰かに『わざとボールを当てろ』と教わったことはない」と告白。問題の発言に至った舞台裏も明かした。
「あの時、『大谷と対戦したらどう勝負するか』と質問されたので、最初は『ど真ん中に全力で投げてみたい』と答えたんです。そしたら記者の方々に『もう少しおもしろく答えてくれ』と言われたんです。それでああいう発言をしました。なので、誤解を招く言い方をしてしまった僕自身のミスではありますが、僕はああいう(故意に当てるような)野球を教わったことはないです。そういう形で報道されたことは正直言って悲しかったですね」
コ・ウソクのコメントが確かならば、韓国メディアによって、自身の発言は曲解されたわけだ。となると、世界的な物議を醸すに至ったのは、いささか可哀そうではないか。
奇しくもWBCを制した日本の主役となったのは、二刀流スターだった。彼は大会後のフラッシュインタビューで「日本だけじゃなくて韓国や台湾も中国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかった」とアジア球界を慮る発言をし、話題となった。こうした発言を見ても大谷が“故意死球発言”を気にも留めていない様子が見て取れる。
同じアジア人として――。海の向こうでの挑戦を決意した25歳を、必要以上に“敵視”するように取り上げるのではなく、素直に応援したいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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