【バーレーン戦検証】森保ジャパンが流れを引き寄せた「2つのポイント」 選手交代で生まれた嚙み合わせの妙を“分かりやすく”解説

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 バーレーンは上記のアシンメトリー守備だけでなく、前線もしっかりプレスをかけてきた。1トップの12番アブドゥルジャバールは板倉滉の前に立ち、両サイドハーフも瀬古歩夢と伊藤洋輝にプレッシャーをかけ、前進を制限する。その一方、トップ下の8番マルフーンは遠藤航をマークし、その遠藤よりも高い位置を取る守田は、ボランチなど中盤で引き取った。

 これまでの試合と同様、守田は5トップに加わる6人目のアタッカーとして遠藤と縦関係になってライン間へ潜ったが、今回はどちらかと言えば、守田のほうから相手の狭い中央に吸い込まれた感がある。こじ入れた縦パスを、久保や守田が個の技術で打開すればチャンスになったが、囲まれて奪われるケースもあり、効率の悪さは否めなかった。

 しかし後半、コンディション不良を抱えていた守田と交代した田中は、守田のように高い位置を取らず、遠藤の近くで横並びに立った。前半とは違い、8番マルフーンに対して2対1の優位が生まれるため、右へ左へ、パスがスムーズに回る。逆にバーレーンは前半のようにプレッシングがハマらず、ラインが下がる。

 この段階でじわり、じわりと日本のペースになっていたが、押し込まれてもバーレーンの中央は固く、日本はサイドも打開し切れなかった。そこで最終的な決定打になったのが、後半18分に投入された鎌田大地だ。

 優位になっていた遠藤と田中のビルドアップに、さらに鎌田も下りて3ボランチのように振る舞う。すると手持ち無沙汰の相手ボランチは、鎌田らを追いかけてバイタルエリアを空けがちに。バーレーンのコンパクトな守備にヒビが入り始めた。その刹那……、伊藤洋輝から上田綺世へ縦パスがスパーンと入る。

 上田は素晴らしいターンから、久保へスルーパス。さらに鎌田がクロスオーバーし、最後は絶妙なループシュート。ついにハイラインを完璧に打ち破った。尺の長いゴールって素敵。

 それにしても、鎌田という男よ。日本の[3-2-5]も、バーレーンのアシンメトリック[4-2-3-1]も、よく設計されたポジショナルな戦術だった。それが当然のように膠着に陥ったとき、一人のアーティストというべきか、自由人というべきか、マジシャンというべきか。創造性の塊のような男が、すべての設計をぶち壊しに来た。しかも、最後はループシュートで! 痛快すぎんか。

 井手口陽介…三笘薫…。42分の久保のゴールもそうだが、どうしてワールドカップ出場を決めるゴールはいつも鮮烈なのだろう。これは記憶に残りそうだ。

[文:清水英斗]

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