望月ヘンリー海輝に期待される「酒井宏樹ロールの復活」 あと9か月でどこまで成長できるか
セットプレーで長身が一人増えたのも大きかったが、極めつけは前半45分だ。この頃には1-0でリードしたアメリカが完全に主導権を握り、日本はビルドアップが機能していなかった。そこでGK大迫敬介のロングパスで相手のプレッシングを越え、空中戦で望月が競り合って頭で落とす。このボールを伊東純也が持ち運び、最後は折り返しを佐野がシュート。日本は劣勢の中、酒井宏樹を彷彿とさせる望月の空中戦から、チャンスを生み出した。
このシンプルなプレス回避術は、困ったときこそ効いてくる。ワールドカップに挑戦する上では、やはり酒井宏樹ロールが欲しい。そんなことを森保監督やコーチ陣はずっと考えていたのではないか。
ただ……まあ、言いたいことはわかる。望月はまだ酒井宏樹のレベルではない。見せ場は数々作ったものの、前半30分に緩慢な1対1から突破を許し、失点の原因になった。そんな選手を信頼できるかと言われたら、ぐうの音も出ない。身長は酒井より7センチ高く、技術も酒井より高そうだが、それでも本当に生死をかけたギリギリの勝負に挑もうとすれば、みんな今でも戦士・酒井宏樹をパーティに選ぶはず。そりゃそうだ。疲労もプレッシャーも段違いの、ワールドカップだもの。
圧倒的なスペックを持つ望月は、日本の奥の手になり得るが、まだ経験が不足しているのは否めない。あと9か月でどこまで成長できるか。引き続き見守りたい。
いずれにせよ、これまでの招集と起用を見る限り、森保監督がワールドカップで酒井宏樹ロールをオプションに欲しがっているのは明白だ。仮に望月の成長が間に合わなければ、土壇場では本家に声がかかるかもしれない。
[文:清水英斗]
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