三笘薫、プレミアリーグ3年目の“今” 「転換期到来」の疑念は杞憂に「周りの人からは分からない」【現地発】
“フォア・ザ・チーム”を念頭に置きながら、三笘は己に向き合い続けた。(C)Getty Images
“個人の結果”よりも重視した勝点
ネット上にあるブライトン・サポーターが管理する専門サイトをいくつか調べてみると、「なぜミトマはドリブルをしなくなったのか?」というコメントも散見された。この手の質問に対する回答の多くが、「ミトマにマークが2枚ついてほかの選手にスペースができ、有効に使っている」「見栄えの良いドリブルは少ないが、効果的な連携でチャンスをつくっている」「効率よくボールを扱っている」といったポジティブな内容が多かった。
では、本人はどう考えているのか。2-1で勝利した11月9日のマンチェスター・シティ戦後、イングランド代表DFカイル・ウォーカーとの対峙を問われた三笘の回答は、こうだ。
「相手が嫌がることをやろうとは思ってましたけど、前半なかなか守備に追われてできなかったですし、後半は高い位置で近いジョアン(・ペドロ)だったり、ぺルビスがサポートしてくれて、いいトライアングルできていましたし、そこは良かったですね」
さらに三笘は同じく2-1で勝利した同23日のボーンマス戦後にも、相手の右SBアダム・スミスに「張り付かれてプレーしにくかったのではないか?」という質問を受けている。その際には、「いや、戦術的に高い位置を取っても僕が引いてしっかりとマンツーマンのところでやらせないとこは意識していたので。まあ我慢するところは我慢しないといけなかった」と答えている。
どちらも“フォア・ザ・チーム”を念頭に置いたコメントだ。さらに言えば、今季序盤の三笘が幾度も口にしたのが、「チームが勝てばゴールやアシストは気にしない」というものだった。もちろん本音を言えば、“個人の結果”も欲しいはず。だが、何よりも重要視しているのが、勝点3なのだろう。
ただ、ここにきてチームは停滞している。攻守がかみ合わずに、前述のボーンマス戦を最後に直近8戦未勝利(6分け2敗)と、勝利から見放されている。順位もCL出場圏内から10位まで落ち込んだ。
勝てなくなると、サッカー選手はもちろんアスリートは自信を失い、慎重なプレーが増えていく。それは三笘においても例外ではなく、最近の彼のプレーからは大胆さが欠けているように思えた。
確かに、指揮官の戦術を理解して、勝利のために尽力している。フィニッシュ精度は以前よりも向上し、得点数こそ伸びていないものの、枠内を捉えるシュート回数は増えた。だが、「怖さ」という物差しで三笘のパフォーマンスを測ってみると、半減しているように思う。