中日復権へ 井上一樹新監督の会見で気になった「3つの発言」

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「俺が好きな選手になれ」という発言には井上新監督の主義が表れている(C)産経新聞社

 中日は10月10日、井上一樹新監督の就任会見を行った。同日午前中に名古屋市内で正式な要請と受諾、そのまま会見へと流れた。本稿では井上新監督のコメントから印象的だったものをいくつか取り上げたい。

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■「我慢と勇気、チームを明るくする長所を前面に」

「我慢と、勇気と、持ち前のチームを明るくする長所を前面に出して、いいチームをつくれれば」

 冒頭挨拶の中で所信表明と取れる発言があった。現役時代から、コーチ・2軍監督時代のイメージのままである。

 前任者の立浪和義氏を立てる発言や、立浪前監督の野球を引き継ぐ旨が随所に見られたが、これも想定通り。社会人として前任者を立てるのは普通のことで、今季は1軍監督と2軍監督でタッグを組んできた間柄だ。ある程度のビジョンは共有していることがうかがえたし、それで良いと思う。

 良かったところは継続して、芳しくなかったところは是正する。当たり前のことかもしれないが、これまでの中日球団は監督が変わるたび、極端にチームが変わってきた。立浪前監督の行った「改革」をソフトランディングさせ、チーム強化に繋げるのが井上新監督に求められる役割だろう。

■「俺が好きな選手になれ」

「2軍の選手には『俺が好きな選手になれ』と言ってきました。チャンスで三振ばかりしたり、エラーばかりでも、『それでも俺はやりたい』『上を目指したい』という気持ちがある選手が好きだと常々言ってきた」

 この発言も気になるところである。「俺が好きな選手になれ」と言われるとなかなかな昭和風情だと感じてしまうが、それで2軍を2年連続最下位から優勝争いまで引き上げたのだし、一つのアプローチとしてはありだ。

 会見後半で「選手にこれだけは守ってほしいこと」を聞かれ、開口一番「和を乱すな」と語っていた。これにも近いものを感じる。合う選手、合わない選手が出てくると思うが、チームが一枚岩で戦うためには必要なことだ。選手もハッキリと方針が伝えられれば振る舞いが変わってくるはず。改めてチームの一員であることを自覚させられる。

 ベテラン選手、1軍で多く出ている選手が相手となれば、そこまでしつこく言うことはないかもしれない。ただ、トップダウン式の指導が目立った前任者と比べて、新監督は時に下手、時に同じ目線に立って選手を鼓舞する姿が目に浮かぶ。1人でも多くの選手が戦力となることを期待したい。

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