三嶋一輝が引退を決意した理由――不屈の13年、その歩みと覚悟「みんなが応援してくれているのに、中途半端な気持ちで応えちゃいけない」【独占】
三嶋は笑顔で第二のステージへと進んだ(C)産経新聞社
■それでも、全力で
その試合を境にファーム降格。置かれている立場は誰よりも理解していた。
「あの時期に落ちてきたら、もうなかなかチャンスはないですよね」
若手の台頭、シーズン後半という時期。それでも三嶋の姿勢は変わらなかった。最後まで、全力で野球に向き合い続けた。
「フライが上がっても『本当にアウトのコールがあるまで気を抜いちゃダメだ』って」
中畑清氏から教えられた言葉。その教えは、プロとしての姿勢そのものだった。
「みんなが応援してくれているのに中途半端な気持ちで応えちゃいけないし、野球に取り組んでもいけない」
妻、木塚敦志氏、そして数えきれないほどの人々に支えられながら、三嶋はその信念を最後まで貫いた。
■ポリシーを胸に、次のステージへ
NPBからのオファーは届かなかった。一方で、社会人や独立リーグからは声がかかった。
「社会人や独立などからのオファーはあったんですけれどもね。いつまででも待つからって言ってくださるところもありましたし、すごく嬉しかったんですけどね」
それでも、自らに問い続けた。
「NPBに戻るために野球をするのか。それともとりあえず野球をやるのか」
悩み続けた末、引退という決断に辿り着いた。
第二の人生においても、その価値観は変わらない。
「古い考え方かもしれないんですけれども、泥臭く一生懸命、何を目的にしているのかもわからないような努力をするのがすごく好きなんですよ」
結果が見えないからこそ面白い。
「だってどうなるかわからないほうが面白いじゃないですか!」
そう笑って語れるのは、すべてを出し切った13年間があったからだ。
「いろんなことを教えてもらった13年間。だからこそ長く感じました」
特別で、濃厚なプロ野球人生を経て――
三嶋一輝は、不屈の右腕としての誇りを胸に、第二のステージへと歩み出す。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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