フェルスタッペンの振る舞いに苦言
そもそもタイトル争いの中でのインシデントが発端だった。
昨季のフェルスタッペンは、サマーブレイク明けから序盤戦の失速を猛烈にカバー。トップを独走していたランド・ノリス(英国)を追い上げていた。最終的に2位となり、5年連続の総合王者とはならなかったものの、差はわずかに2ポイント。偉才ぶりが際立った。
そうした中で2ポイントの差を生んだのが、ラッセルとの騒動だった。第9戦のスペインGP決勝で、競り合っていた両雄は接触。タイムペナルティを科されたフェルスタッペンは順位を10位にまで落とし、獲得ポイントも「1」に終わっていた。結果的にこのポイントロスが逆転優勝の運命を変えたと言っても過言ではなかった。ゆえにリチャーズ氏は、最終戦となったアブダビGP後に「(接触を)後悔していることはないか?」と聞いていた。
当時を「どうしても聞かなければならない質問だった」と振り返ったリチャーズ記者は、フェルスタッペンが「君は僕のシーズン中に起こったすべてのことを忘れている。バルセロナのことしか言わないし、今、君は馬鹿げた笑みを浮かべているね」と返答していたことも紹介。その上で、「私は彼の言うように面白いとは思っていなかったし、彼をからかって楽しんでいたわけではなかった」と断言。そして、改めて今回の会見追放について言及している。
「退去命令を受け、私はその場を後にした。フェルスタッペンは終始笑顔だった。もしかしたら、彼は私との力関係を楽しんでいたのかもしれない。一日が過ぎ、F1ドライバーに怒られることよりも、世の中にはもっと深刻な問題が山ほどあると思っている」
「報道の仲間たちは皆、衝撃を受け、私を気にかけてくれている。ある記者は、『品がない』とフェルスタッペンの振る舞いを軽蔑したように言った。私は無事だ。むしろ一番居心地が悪いのは、この出来事を一人称で書くことだ。ジャーナリストは決して自分がニュースの主役になりたくないものだが、今はそうせざるを得ない状況だ」
自身のモットーとして「できる限り正直かつ公平に報道すること」と記したリチャーズ記者は「フェルスタッペンを尊敬しているし、より良い関係を築けることを願っている」と断言。一方で「我々は、時に、彼らにとって難しい質問や気まずい質問をしなければならないこともある」とジャーナリストとしての苦悩も綴った。
F1の新レギュレーションに不満を募らせる今季のフェルスタッペンは、新型マシンの不調にも苛まれ、スタートダッシュで躓いた感が否めない。ゆえに彼を取り巻く空気は芳しくなかった。そうした中でメディアとの確執も生まれ、緊張感はより高まっていると言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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