伝統の早明戦が頂上決戦に 制すのはタテの明治か、ヨコの早稲田か
試合はFWのパワーを遺憾無く発揮した明治がゴール前でのピックゴーを繰り返して先制。しかし、その直後、京産はラインアウトからポルテレを囮に使い、明治の想定とは逆方向にパスを繋いでWTBエロニ・ナブラギがゴール中央にトライ。たちまち同点に追いつく。
しかしここからは終始明治ペースで試合が進んだ。ポルテレ、ナブラギ、LO石橋チューカといったパワーランナーに球が回る前に、京産の攻撃を寸断し、パワーランナーにボールが渡っても、2人から3人でオフロードパスも投げられないよう、強烈なタックルを見舞った。夏合宿での反省点を活かした見事なディフェンスだった。
さらにこの試合、明治としては「珍しく」ミスが少なかった。突進時や密集などで、ボールをポロリとこぼしてしまう脇の甘さから、逆襲を喰らって度々痛い目にあってきたのが明治というチームだったのだが、この試合ではそうしたシーンがほぼなかった。元々実力あるチームが、弱点だったミスの多さを克服すれば、それは強いチームとなるだろう。
京産は後半の後半になってようやくポルテレの個人技が爆発してトライを1本奪い、終了間際にもキックオフからのノーホイッスルトライを奪ったが、反撃もそこまで。37-19で明治が勝利した。京産はベスト4超えのチャレンジにまたも失敗した。ここを突き抜けるには一体何が足りないのか。首脳陣が来シーズンに向けどのような修練を選手に課すのかに注目したい。
この2試合の結果、決勝は明治と早稲田の再戦となった。大学選手権での両学の対戦成績は明治の9勝7敗。決勝戦に限っても7勝3敗と明治が勝ち越している。先述の通り、今シーズン明治は早稲田に3戦負けなしと圧倒している。しかし、早稲田は、大学選手権でより多くの強豪と戦ったことで、対抗戦時よりもチーム力が上がっている上、早明両学の対戦には独特の雰囲気があり、今シーズンの今までの対戦成績はあまり当てにならないだろう。
今シーズンの対戦は久々に、往年の「パワフルにタテを突く明治、スピーディーにワイドな展開を志向する早稲田」という構図の一戦となりそうだ。
[文:江良与一]
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