「危険で無責任」と関係者猛反発 それでも伝説マイク・タイソンが20年ぶりの“公式戦”を戦う理由はカネだけじゃない?
それでもなお、当人たちをはじめ、プロモーションに携わる関係者たちが試合を推し進める理由はいくつか挙げられる。ひとつはカネだ。両陣営が総額4000万ドル(約60億円)の賞金を得るとされる興行を業界関係者が見過ごすわけにはいかないのである。
ただ、カネだけではないという意見もある。『Al Jazeera』の取材に応じた元世界3階級制覇王者のデューク・マッケンジー(英国)は、「特にタイソンが試合をする理由は彼自身のエゴだ」と指摘。元世界王者としてのプライドが、YouTuberとの試合に向かわせていると分析した。
「私たちが見ているのは、ショックで疲れ果てた老戦士ではある。だが、残念なことに、彼はまだ過去を追体験したがっている。彼のエゴが試合から逃げることを許さない」
おそらく今回の試合は身体に及ぶ危険性を考えれば、ハーン氏の指摘する通り、やるべきではない。それでも若年層のボクシング・ファンをはじめとする多くの観衆が「見たい」と願ってやまないところに奇妙な、異様な魅力がある。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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