ドイツ古豪で“最年少守護神”となった21歳の資質 日本代表DFが「相当なタレント」と唸る長田澪の今【現地発】
ブレーメンで不動のポジションを確立している長田(C)Getty Images
ファンの深い信頼を集める長田の落ち着き
今季のブンデスリーガにおいて、最年少正守護神を務めるのが、長田澪(登録名ミオ・バックハウス)だ。
肩の負傷欠場となった2試合を除き、全13試合に出場する21歳は、状況判断に優れ、至近距離からのセービング能力も抜群。ビルドアップ時の展開力にも秀でた将来性の高いGKとして欧州で注目を集めている。
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所属するブレーメンでプレーを共にする日本代表DFの菅原由勢は、長田への称賛を惜しまない。筆者に対して、次のように語ってくれていた。
「ザイオン(鈴木彩艶=セリエAのパルマ所属)もいますけど、欧州5大リーグでGKとしてスタメンを張っているという事実だけで、(長田は)相当なタレントだと思います。物おじせず、しっかりコミュニケーションを取るし、声も出す。ビルドアップの能力も相当高いし、セービングも物凄い。いやぁ、本当にいい選手です」
今季開幕直前、ブレーメンは正GKだったミヒャエル・ツェッテラーがフランクフルトに移籍。空席となったポジションに抜擢されたのが長田だった。ドイツ大手紙『Bild』のインタビューでは、し烈な競争が続いた当時を次のように振り返っている。
「プレシーズンにいいパフォーマンスを出せていたと思うから、もしも『第2GKのままだ』と伝えられたら、失望に襲われていたかもしれない。だからといって、移籍を考えたりはしなかったと思う」
試合を重ねるごとに安定したクオリティあるプレーでチームに安心をもたらし、いまではファンからも深い信頼を受けている。試合後には地元メディアの取材を受ける日も多く、その受け答えはとても落ち着いたもので、話す内容もまとまっている。
メディア対応だけではなく、ピッチ上の振る舞いや仲間とのコミュニケーションにも成熟したそれを感じさせることが多い。難しい試合展開にも焦らず、周囲を的確にコーチングし、今できることに最大限の力を出せる。それが今の長田だ。
そんな“落ち着き”の秘訣について『Bild』で話していたことがあった。
「オランダでプレーしていたころからメンタルトレーニングを定期的にしています。うまくいっていなかったころに、GKコーチが勧めてくれました。対話を通じてポジティブなことも、ネガティブなことも反映させています。GKのポジションには、頭の中をクリアにすることが大事です。
リラックスと緊張感の間を見つけないといけない。ブンデスリーガのデビュー前となったら、より落ち着きが必要になるし、リーグで試合をするのが日常になったら、試合に向けて緊張感を高めることが重要になります」





