森保ジャパンのファイヤープレスが抱える「危うさ」 一本気なアプローチには「わかりやすい」というリスクも

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 たとえば、「フランスやアルゼンチンが相手ならどうか?」と問われれば疑問符が付く。サイドで追い込む前に、クサビやロングボールで真ん中を打開されてしまうかもしれない。これではファイヤープレスが機能しない。その場合はウイングハーフの1枚をサイドバック化させ、ロングボールに対して4対3の優位で対応したり、1枚をサイドハーフ化させて中盤の横幅をコンパクトにしたりと、4バック的な戦い方が必要になるだろう。

 もし、ファイヤーフォーメーションの3-4-2-1のままワールドカップ優勝まで貫けるとしたら、それは日本がデュエル世界一になることが必要条件だ。ただし、実際には相手のレベルやコンディション次第で難しくもなる。

 森保監督はその課題に直面するまで、転ばぬ先の杖をつくことはなさそうだ。どこまで行けるか、そのギリギリを見極めようとして、実際に転ぶまで続けるかもしれない。

 ただ、個人的にはそのアプローチに懐疑的だ。なぜなら強化試合は所詮、強化試合でしかない。メキシコも仕上がりは良くなく、親善試合に似つかわしくない日本の強度に対し、面食らっている程度だった。

 いかに森保監督や選手たちがギリギリを見極めようと試合に臨んでも、強化試合のギリギリと本番のギリギリは別物だ。メキシコだって、これが本番ならもっと全然違うサッカーを選択しただろう。ロシアワールドカップのドイツ戦のように。計れないものを計ろうとするより、違う守り方や人の起用など複数のプランを持てるように早く動き出したほうがいい。

 戦術に手応えはあったけれども、歯ごたえはなく、ヌルッとした気持ち悪さを感じる強化試合だった。次はアメリカ戦、パラグアイ戦、ブラジル戦と続くわけだが、仮にこの3-4-2-1で貫けてしまった場合は、いよいよヤバい。どんどんわかりやすいチームになっていく。

[文:清水英斗]

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