「また同じ質問をしてくれたらいい」米球界の懐疑論に抗う言葉 「成功できないかもしれない」とも言われた村上宗隆が見せた“意志”【現地発】

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打撃では三振の多さ、守備では不安定さなど課題が少なくない村上(C)産経新聞社

「これほど判断が難しい選手は初めてだ」某強豪球団スカウトが漏らした言葉

 もっとも、これらの懸念材料をすべて並べたあとでさえ、村上がアメリカでは活躍できないと決まったわけではもちろんない。そもそも成功の確率が著しく低いと目されたとすれば、年俸にして1700万ドル(約26億6900万円)も払うチームが現れるはずもないのだから。

 パワーはメジャーに通用してお釣りが来るほど。それでも現時点ではメジャーにアジャストできるのか、さらなる伸びしろがどれだけあるのか、とにかく判断が難しい選手だという。昨年12月にフロリダ州オーランドで行われたウインターミーティング中、ナ・リーグの某強豪チームのスカウトが頭を抱えていたのは象徴的だった。

「ムラカミはスターになるかもしれないし、ほとんど成功できないかもしれない。これほど判断が難しい選手は初めてだよ」

 結局、すぐに勝ちにいかなければいけない位置にいるチームには、その不確定要素が敬遠され、相対的に条件も下がったのだろう。

 ただ、繰り返しになるが、安全な補強策ではないからといって、新天地で開花するのが不可能という意味ではない。空振りの多さに関する比較対象として、ラファエル・デバース(現ジャイアンツ)の名前が出てきたことも興味深い。

 パワー、打球の速さ、三振の多さ、三塁守備の不安定さなど、村上はデバースと似た長所、短所を数多く備えている。そして、デバースは目に見える欠点がありながらも、メジャー通算235本塁打を放ち、23年にはレッドソックスと10年3億1350万ドル(約453億円)という大型契約を結んだ選手でもある(注・その後にトレードされ、現在はジャイアンツ所属)。

 デバースは空振りの多いスラッガーの中では例外的な存在で、どんな打者にも「デバースになれ」と期待するのは無理がある。ただ、それは不可能なわけではなく、村上には将来を夢見させるだけの若さと稀有なパワーがある。それゆえに、未来に期待する楽しさがある。

 ホワイトソックスへの入団会見時のことだ。56本塁打を打った時のようなスイングにどう戻すかについて問われ、村上はこう答えていた。

「言葉で説明するより結果で残していきたいと思っています。試合が始まって、僕が打席に立つようになって、また同じ質問をしてくれたら詳しく話せるのかなと。こっちで感じてみたこともトライしたいので、(後で)また同じ質問をしてくれたらいいなと思います」

 その言葉からは、負けん気の強さと根底にある自信が感じられた。メジャーで成功するため、そして一部からの懐疑的な声を吹き飛ばすため、このような意志の強さは必要だろう。たとえ足りない部分があっても、明白な長所があればそれに特化させてくれるのが、アメリカのカルチャー。村上には合っている世界にも思え、あとは結果を出すだけ。もともとのポテンシャルの大きさを考えれば、この未完のスラッガーが2年以内に力を発揮し、リスクへの不安の声を吹き飛ばしても誰も驚くべきではない。

[取材・文:杉浦大介]

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