冷静沈着な「ドネア1」以来の判定勝ち! 井上尚弥が“進化した”スタイルで盤石の王座防衛 アフマダリエフに強み出させず
第5ラウンドには効果的な右ストレートを見舞ったが、アフマダリエフの左をもらう場面も。前に出てくるアフマダリエフのプレッシャーが強まっていく中、それを足をつかっていなしながらチャンスの訪れを待った。
6ラウンド終盤には強烈な左ボディを3連発。これでさらに感触を掴んだ井上は、7ラウンドになると、カウンターのタイミングを計るように、ガードを固めて相手に打たせるシーンを作る余裕を見せる。セコンドに「相手は雑になっている」と送り出された第8ラウンドも丁寧なボクシングを続け、9ラウンドには電光石火のワンツー、右アッパーで相手の顔面を強襲。打ってこいとジェスチャーをする挑戦者に着実にダメージを与えていった。
終盤に入ってもスタミナをキープする井上は、軽快なステップで距離感を保ちながらアフマダリエフを翻弄。相手に思うようなボクシングをさせないまま、最終12ラウンドも相手に目立った有効打を許さずに、まさに冷静沈着に判定で挑戦者を退けた。
2019年11月7日のノニト・ドネア戦以来となる5年10か月ぶりの判定勝ち。足を使い、中距離でのボクシングを完全に制したモンスターは、これで31勝27KOと無敗を継続。次戦は、12月にサウジアラビアで行われる「リヤド・シーズン」への参戦が取り沙汰されている。スーパーバンタム級でも無類の強さを見せ続ける稀代のスーパースターは、果たしてどこまで登り詰めるのだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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