技術力で圧勝した井上尚弥 見せつけられた怪物の貫禄にピカソ母国メディアは愕然「イノウエが解剖した。両者の差は歴然」
戦前の宣言通りのKO勝利とはならなかった。それは井上自身も試合後のフラッシュインタビューで「今夜は良くなかったです。なんだろうな……まぁ良くなかった」と反省するところだ。それでもタフさが際立ったピカソに、付け入る隙を微塵も与えなかったパフォーマンスレベルは、見事という他にない。
実際、「僕を信じてほしい」と試合前に意気込んでいたピカソの母国メディアでも、井上に脱帽するような反応が目立った。専門メディア『Izquierdazo』は「イノウエがピカソを解剖した」と多彩な技で名手を翻弄した“モンスター”を褒めちぎった。
「イノウエの冷静さは不気味なほどだった。彼が勝利のための暗号を解読した途端、試合の筋書きは一変した。イノウエは序盤から中距離から長距離までのコンビネーションを放ち、そしてチャンピオンとプロスペクトの差を分けるパンチの精密さで、メキシコ人ファイターをパウンド・フォー・パウンドの領域に引き込んだ。
イノウエが小気味よく連打を繰り出す一方、ピカソは単発のパンチを繰り出すのみ。そして、中盤終盤に絶対王者が強烈なパンチを放つと、真のダメージをどちらが追っているかが明白になった。両者の技術力の差は歴然だった」
いまだ敵知らずの偉才たる所以を見せつけた井上。ド派手な形での勝利とはいかなかったが、その勝利の余韻はしばらく続きそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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