WBC早期敗退後にNPBが急ぐべきは“リスク”も潜む「ピッチクロック導入」なのか 「飛ばないボール」の議論を含めた日本球界が模索すべき改革の道
野球人気回復のためにMLBで数多の改革案として用いられたのが、ピッチクロックだった(C)Getty Images
大投手シャーザーも口にした本音とは?
無論、選手たちからも怪我の懸念は指摘されている。MLBキャリア20年で通算221勝をマークしている大投手マックス・シャーザーは、米YouTubeチャンネル『Foul Territory』において「一人ひとりの怪我の重症度が増している。試合のペースが速くなると、投手としては疲労が早く蓄積してしまう」と吐露。そして、こうも付け加えている。
「(1試合当たりで)100球を投げようとしている先発投手の場合、疲労が蓄積する中で、疲れに対抗しようとボールを強く握りすぎてしまうんだ。そういうことが、肘や肩の怪我を重症化させる可能性は極めてあり得る」
先述したゲーバー氏のリポートにも記述されているが、投手の故障リスクは、とりわけMLBでは、平均値が年々上がっている球速の高速化が招いている側面もある。ただ、ピッチクロックによる試合テンポの増加が起こしている影響も存在していると言えよう。
こうした米球界内の反響をふまえ、NPBでも導入すべきか否かは、きっちりと検証、そして議論を重ねる必要があるだろう。ただ、ピッチクロック以外にも目を向けるべきものがあるのではないかと考えてもしまう。
例えば、国際球と比較して飛距離が出にくいされるNPB球、いわゆる「飛ばないボール」を見直すのも一案だ。投手と捕手のサイン交換の際に用いられる電子機器「ピッチコム」を取り入れるのも一考すべき要素だろう。MLBではサイン盗みの抑止だけでなく、連携面でのタイムロスが減り、試合時間の短縮の一助となったとされている。
結局は、日本野球が何を求めるかによって指針は変わってくる。それこそ大谷が言うように「我々は我々の野球をするんだ」というのであれば、目を向ける部分は別のものになるだろう。しかし、WBCのような国際競争で「勝ちたい」のであれば、主に投手が受ける怪我のリスクを考慮しつつ、改善へと踏み出す必要がある。
いずれにせよ、ルール変更に伴って影響を受けるのは、当事者となる選手たちだ。彼らが納得のいく結論が出ることを願ってやまない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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