起用法議論で噴出した“大谷ルール”への異論 元MLB捕手が反発「一人のために野球を永遠に変えるわけにはいかない」
大谷を短期決戦でいかに使うかが米球界内で議論を生んでいる(C)Getty Images
投手として復帰して間もない大谷翔平(ドジャース)を、短期決戦でいかに使うか。その起用法が議論を巻き起こしている。
今季に二刀流を本格的に再始動させた大谷は、ここまで投打ともに高水準のパフォーマンスを披露している。打っては打率.282、51本塁打、95打点、137得点、長打率.614、OPS1.008、19盗塁と軒並みハイアベレージをマーク。一方で6月に実戦復帰を果たした投手としても、今季は最大5イニングまでという制限下にありながら13登板(41イニング)で、防御率3.29、WHIP1.07、奪三振率11.85と“エース級”の働きを見せている。
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そうした中で小さくない注目を集めるのは、ポストシーズンにおける「投手・大谷」の使い方である。
すでにドジャースの先発ローテーションは、山本由伸、タイラー・グラスノー、ブレイク・スネル、クレイトン・カーショウが居並ぶ豪華ラインナップ。その中で通常枚数よりも減る4枚でローテーションを組むのが常となっているポストシーズンは、投手を厳選する必要がある。となると、制限を設けたリハビリ過程にいる大谷は、リリーフ陣への負担増加のリスクを考慮して、先発枠から外される可能性が小さくない。
とはいえ、実力は球界屈指である。ゆえに一部の識者の間ではリリーフへの配置転換が「理にかなっている」という声もある。
では、その現実性はどこまであるのか。現行の二刀流選手に設けられたルールでは、DHの選手がリリーバーとして登板した場合、その時点でDHは解除。打者として試合に残れなくなるため、プレーし続けるために野手として守る必要がある。
現行ルールとの兼ね合いもあり、大谷の中継ぎ抜擢は「ありえない」と断言する球界OBもいる。現役時代にMLB通算2043安打を放った強打の名捕手AJ・ピアジンスキー氏は、自身がホストを務める米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』において「実戦で一度も守備をしていないのに、ポストシーズンにぶっつけ本番で守らせようって言うのか?」と指摘。「5人で先発ローテーションを回すのはありえない。だから中継ぎで投げるにしても、残り10試合ぐらいしかないんだから、実戦で投げておいた方が良いと思うね」と断言した。






