「人間」を追った神回 ドキュメント「『職業 羽生結弦』の矜持」はなぜここまで称賛されたのか
羽生さんの誠実な姿勢がファンの胸を打った(C)Getty Images
絶賛の嵐が止まりません。
11月12日の25時から日テレ系で放送されたNNNドキュメント「『職業 羽生結弦』の矜持」です。翌日から新たな週が始まり、学校や仕事を控えた直前の日曜深夜という「数字の取りにくい」時間帯にもかかわらず、リアルタイムでもSNSを中心に話題が沸騰。視聴した人々からは称賛の声が続々と投稿されました。
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スポーツ紙デスクが言います。
「想像以上でした。私達は常に『舞台裏が見たい』という願望を胸に取材に当たっていますが、真の『舞台裏』がまさかあそこまで過酷だとは。気高く美しい羽生さんのパフォーマンスが、人並み外れた鍛錬の末に完成して披露されているという事実をかみ締め、胸が熱くなる30分でしたね」
番組は昨年7月19日、27歳で競技生活を終え、プロに転向した羽生さんに密着。さらなる高みを目指していくその本音を拾っていきます。
「あの時、競技会から卒業することを『羽生引退』と一面スクープした新聞社もありました。しかし、あの日から現在まで羽生さんが流した汗に思いを馳せた時、『引退』という報道は果たして正しかったのか、あらためて思いを致すことになります。練習を終えた頃にはいつも動けなくなるほど自身を追い込んで、『強度は競技をやっていた頃よりも高い』と話す。『ギリギリの練習をしないと上手くなれない』と、ひたむきに技術の向上を目指すトップアスリートであり、アーティスト。その姿に『引退』を感じる要素は一切ありませんでしたからね」(前述のスポーツ紙デスク)
番組では手書きの練習メニューが映し出され、そこには極限まで自身を追い込む求道者の姿が、確かにありました。
「常に自分が120%の練習をしないといけない。120%の練習をして、その20%の余剰分が、次の日の105%を出せる」
挑戦しようとする人々の胸を熱くする、独特の「言葉学」です。